35Q80|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
Gさん(79 歳,女性,要介護3 )は,介護老人福祉施設に入所して,3 週間が経過した。施設での生活には慣れてきているが,居室でテレビを見て過ごす時間が長くなった。ある時,Gさんが,「気分転換に台所を借りて,自分でおやつを作ってみたい」と介護福祉職に話した。Gさんのレクリエーション活動の計画作成にあたり,介護福祉職が留意すべきこととして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.おやつ作りをきっかけに,施設生活に楽しみがもてるようにする。
この問題のポイント
レクリエーション活動は、施設側が用意した余暇活動へ利用者を参加させることが目的ではありません。本人の希望、興味、これまでの生活、できることを生かし、その人らしい楽しみや役割のある生活につなげます。
Gさん自身が「台所を借りて、自分でおやつを作ってみたい」と希望しているため、この思いを活動計画の中心に置きます。
解説
施設へ入所すると、それまで自宅で行っていた家事や趣味を行う機会が減り、受け身の生活になりやすいことがあります。Gさんは施設生活に慣れてきた一方、居室でテレビを見て過ごす時間が長くなっています。そのなかで、自分からおやつ作りを希望したことは、生活をより楽しみたいという意思の表れです。
おやつ作りは、単なる時間つぶしではありません。献立を考える、材料を選ぶ、調理する、味わう、希望があればほかの人に振る舞うなど、楽しみ、達成感、自信、他者との交流や役割につながる可能性があります。
計画はGさんと話し合い、作りたいメニュー、どこまで自分で行いたいか、必要な支援を確認します。心身機能、食事制限、アレルギー、包丁や加熱器具の安全、疲労などを評価し、道具や環境を工夫して、できる部分を奪わない最小限の支援を行います。
ひっかけポイント
レクリエーションは「集団で行うもの」「施設にある物を使うもの」とは限りません。本人の希望より、職員の都合や施設の日課を優先しないことが重要です。また、安全への配慮は必要ですが、危険がある可能性だけを理由に希望を否定せず、安全に実現できる方法を本人と検討します。
介護実践でのポイント
「自分で作りたい」という言葉を尊重し、職員が先回りして献立や手順をすべて決めないようにします。作業を細かく分け、座って調理する、握りやすい器具を使う、加熱部分だけ見守りを厚くするなどの工夫を行います。活動後は、楽しかったか、また行いたいか、次に作りたい物があるかを本人に確認し、継続的な楽しみや役割へつなげます。
選択肢の確認
1.Gさんの居室で行うようにする。
誤りです。
Gさんは台所を借りておやつを作りたいと希望しています。調理設備のない居室で行うことを一方的に決めるのではなく、安全に台所を利用できる方法を検討します。
2.おやつのメニューは,介護福祉職が選ぶ。
誤りです。
職員がメニューを決めると、Gさんの自己決定や「自分で作りたい」という思いが生かされません。食事制限や安全性を確認しながら、本人と相談して選びます。
3.施設のレクリエーション財を優先する。
誤りです。
施設にある材料や用具を活用することはできますが、それらを本人の希望より優先するのは不適切です。レクリエーション財ではなく、Gさんの目的や楽しみを中心に計画します。
4.集団で行うことを優先する。
誤りです。
集団活動が適するかどうかは、本人の希望や目的によって判断します。集団参加を優先するのではなく、一人で行いたいのか、誰かと一緒に行いたいのかをGさんに確認します。
5.おやつ作りをきっかけに,施設生活に楽しみがもてるようにする。
正しいです。
Gさんが自ら希望したおやつ作りを実現し、達成感や役割、他者との交流などにつなげることで、施設生活に楽しみをもてるよう支援する対応です。
覚えるポイント
- レクリエーション活動は、本人の希望と興味を中心に計画する。
- 施設側の都合や既存の活動を本人の希望より優先しない。
- 個別活動か集団活動かは、本人の希望と目的に応じて選ぶ。
- 本人がこれまで行ってきた生活行為や得意なことを生かす。
- 「自分で行いたい」部分を奪わず、必要最小限の支援を行う。
- 安全性、食事制限、アレルギー、疲労、調理能力を確認する。