35Q125第35回 介護福祉士国家試験 過去問

総合問題総合問題

次の事例を読んで,問題 123 から問題 125 までについて答えなさい。 〔事 例〕Eさん(35 歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり,V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは,毎日のスケジュールを決め,規則や時間を守ってプログラムに参加しているが,周りの人や物事に関心が向かず,予定外の行動や集団行動はとりづらい。コミュニケーションは,話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。Eさんが利用するV障害者支援施設では,就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため,施設として防災対策に力を入れている。また,通所している利用者も多いので,V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。 V障害者支援施設が,災害発生に備えて取り組む活動として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

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正解: 1

正答

1.事前に受け入れ対象者を確認しておく。

この問題のポイント

V障害者支援施設は、市から福祉避難所として指定されています。災害発生後に初めて受入方法を考えるのではなく、平常時から受入対象者、人数、必要な配慮、施設の受入可能人数などを確認しておくことが重要です。

解説

福祉避難所は、一般の避難所では生活が難しく、特別な配慮を必要とする高齢者、障害者、乳幼児などと、その家族等を受け入れる避難所です。

災害発生前に、市町村と連携して受入対象者や想定人数を確認し、必要となる介助、医療的ケア、意思疎通方法、食事、排泄、移動、福祉用具、医薬品などを把握しておきます。そのうえで、受入可能人数、居住スペース、人員、備蓄、電源、感染対策、移送方法、連絡体制を整えます。

受入対象者をあらかじめ特定し、個別避難計画などと組み合わせて福祉避難所へ直接避難できるようにする仕組みもあります。ただし、災害時には事前に想定していなかった要配慮者が生じる可能性もあるため、状況に応じた対応も必要です。

ひっかけポイント

災害時には臨機応変な対応が必要ですが、それは役割分担をその場で一から決めるという意味ではありません。平常時に指揮命令系統、連絡方法、担当業務、代替要員を定めて訓練し、実際の状況に応じて調整します。

介護実践でのポイント

受入対象者の氏名だけでなく、移動、食事、排泄、服薬、医療機器、意思疎通、感覚過敏など、必要な支援を本人・家族・行政と確認します。個人情報は利用目的と共有範囲を明確にして適切に管理します。名簿や連絡先、備蓄、支援手順は定期的に更新し、地域と合同で訓練します。

選択肢の確認

1.事前に受け入れ対象者を確認しておく。
正しいです。 受入対象者と必要な配慮を平常時から把握することで、人員、物資、設備、移送方法などを具体的に準備できます。

2.災害派遣医療チーム(DMAT)と支援人員確保契約を結ぶ。
誤りです。 DMATは、災害急性期に活動する専門的な医療チームです。福祉避難所の生活支援人員を確保する契約先として位置づけられているわけではありません。

3.職員の役割分担は,状況に応じてその場で決める。
誤りです。 災害発生後に一から役割を決めると、初動が遅れ混乱する可能性があります。指揮、安否確認、避難誘導、受入、物資、連絡などの役割を事前に定め、訓練しておきます。

4.要配慮者のサービス等利用計画を作成する。
誤りです。 サービス等利用計画は、障害福祉サービスを利用する個人について相談支援専門員が作成する計画です。福祉避難所での受入準備として施設が作成する計画ではなく、個別避難計画とも異なります。

5.要配慮者に自分で避難するように促す。
誤りです。 要配慮者には、移動、情報取得、意思疎通などに支援が必要な場合があります。自力避難を一律に求めず、本人の状態に応じた避難支援者、移送手段、経路を事前に検討します。

覚えるポイント

  • 福祉避難所は、一般避難所での生活が難しい要配慮者等を受け入れる。
  • 受入対象者、想定人数、必要な配慮を事前に確認する。
  • 指揮命令系統と職員の役割は、平常時に決めて訓練する。
  • DMATは災害医療チームであり、福祉人員の契約先ではない。
  • 要配慮者へ自力避難を一律に求めない。

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