35Q115|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(80歳、女性)は、自宅で一人暮らしをしている。同じ県内に住む娘が、月に一度Aさんの自宅を訪れている。 最近、Aさんの物忘れが多くなってきたため、不安になった娘が、Aさんと一緒に病院を受診したところ、医師から、脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)であると診断された。Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。 ある日、娘からサービス提供責任者に、今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。そこで、サービス提供責任者が、Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。 地域包括ケアシステムにおいて、Aさんの雪かきの課題への対応を示すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.互助
この問題のポイント
地域包括ケアシステムにおける支え方は、一般に「自助・互助・共助・公助」に整理されます。
この事例では、地区の民生委員への相談をきっかけに、近所の人たちがAさんの雪かきをしてくれることになりました。地域住民同士の自発的な助け合いであるため、「互助」に該当します。
解説
「自助」は、自分でできることに取り組むことや、自ら選んで民間サービスを購入することです。「互助」は、家族、友人、近隣住民、ボランティア、住民組織などによる、制度に基づかない自発的な助け合いです。
「共助」は介護保険や医療保険など、保険料を基盤とする社会保険制度による支えです。「公助」は、税を財源とする公的な福祉施策や生活保護などによる支えです。
本事例で雪かきを実際に担うのは近所の人たちです。サービス提供責任者がAさんと一緒に民生委員へ相談したという経過があっても、支援の内容は住民同士の助け合いです。誰が相談をつないだかではなく、誰が、どのような仕組みで支えているかを見て判断します。
ひっかけポイント
「民生委員に相談したから公助」と判断しないようにします。民生委員が相談をつないでいても、雪かきを担うのは近所の人たちです。この支援の実体は、住民同士の自発的な助け合いである「互助」です。
介護実践でのポイント
インフォーマルな支援を活用するときも、本人の同意を得て、依頼する範囲、時間、連絡方法、危険時の対応などを関係者で確認します。近所の人の善意だけに過度な負担をかけず、状況が変わったときに相談できる専門職や公的支援とのつながりも保ちます。
選択肢の確認
1.自助
誤りです。 自助は、本人が自分で取り組むことや、自ら選んで民間サービスを利用することです。本事例では近所の人たちが支援しています。
2.互助
正しいです。 近所の人たちによる雪かきは、地域住民同士の自発的な助け合いで、制度に基づく給付ではありません。
3.介助
誤りです。 介助は日常生活動作などを手助けする行為を表す言葉で、「自助・互助・共助・公助」という支え方の区分ではありません。
4.扶助
誤りです。 扶助は一般に助け支えることを意味しますが、地域包括ケアシステムの支え方を整理する四つの区分の名称ではありません。
5.公助
誤りです。 公助は税を財源とする公的な福祉施策などによる支えです。本事例の雪かきは行政サービスではなく、近所の人たちが自発的に行います。
覚えるポイント
- 自助は、本人の取組や自費による民間サービスの利用である。
- 互助は、家族、近隣住民、友人、ボランティアなどによる自発的な助け合いである。
- 共助は、介護保険や医療保険などの社会保険制度による支えである。
- 公助は、税を財源とする公的な福祉施策などによる支えである。