35Q10|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
Eさん(75歳、女性、要介護2)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。最近、Eさんの認知症(dementia)が進行して、家での介護が困難になり、介護老人福祉施設の申込みをすることにした。家族が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、まだ要介護認定の有効期間が残っていたが、要介護状態区分の変更の申請ができることがわかった。 家族が区分変更するときの申請先として、正しいものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.介護保険の保険者
この問題のポイント
要介護認定の有効期間中であっても、心身の状態が変化し、必要な介護の程度が変わったと考えられる場合は、要介護状態区分の変更認定を申請できます。
申請先は、介護保険の保険者である市町村・特別区です。申請手続きを代行できる機関と、最終的な申請先を混同しないことがポイントです。
解説
介護保険の保険者は、市町村と特別区です。要介護認定、更新認定、区分変更認定の申請は、被保険者が住む市町村の介護保険担当窓口に行います。
Eさんは要介護2の認定を受けていますが、認知症が進行し、在宅での介護が困難になっています。このように、有効期間の途中で心身の状態や介護の必要度が変化した場合には、区分変更認定を申請できます。申請後、認定調査や主治医意見書などに基づいて審査・判定が行われ、市町村が認定します。
本人や家族が直接申請するほか、一定の居宅介護支援事業者、介護保険施設、地域包括支援センターなどに手続きの代行を依頼できる場合があります。ただし、代行してもらった場合でも、申請先と認定を行う主体は介護保険の保険者である市町村です。
介護保険審査会は、要介護認定など市町村の処分に不服がある場合の審査請求を扱う都道府県の機関です。国民健康保険団体連合会は、介護給付費の請求の審査・支払や介護サービスに関する苦情処理などを担います。運営適正化委員会は、福祉サービスに関する苦情解決の仕組みです。それぞれ役割が異なります。
ひっかけポイント
「申請を手伝ってくれるところ」と「申請先」は別です。ケアマネジャーなどが手続きを代行しても、申請書は保険者である市町村へ提出されます。
介護実践でのポイント
状態の変化を把握した介護福祉職は、事実を具体的に記録し、本人・家族の意向を確認して、サービス提供責任者や介護支援専門員へ報告します。介護福祉職が要介護度を独断で決めることはありません。
選択肢の確認
1.介護保険の保険者
正しい。
介護保険の保険者は市町村・特別区であり、要介護状態区分の変更認定の申請先です。心身の状態が変化した場合は、認定の有効期間中でも申請できます。
2.後期高齢者医療広域連合
誤り。
後期高齢者医療広域連合は、後期高齢者医療制度の運営を担う組織です。介護保険の要介護認定や区分変更認定の申請先ではありません。
3.介護保険審査会
誤り。
介護保険審査会は、市町村が行った要介護認定や保険給付などの処分に不服がある場合に、審査請求を扱う都道府県の機関です。区分変更認定の最初の申請先ではありません。
4.国民健康保険団体連合会
誤り。
国民健康保険団体連合会は、市町村から委託を受けた介護給付費の請求の審査・支払や、介護サービスに関する苦情処理などを行います。要介護状態区分の変更認定を申請する機関ではありません。
5.運営適正化委員会
誤り。
運営適正化委員会は、都道府県社会福祉協議会に設置され、福祉サービスに関する利用者の苦情解決などを行います。介護保険の区分変更認定の申請先ではありません。
覚えるポイント
介護保険の保険者は、市町村・特別区です。
要介護認定、更新認定、区分変更認定の申請先は市町村です。
有効期間中でも、心身の状態が変化した場合は区分変更を申請できます。
介護保険審査会は処分への不服申立て、国保連は請求の審査・支払や苦情処理、運営適正化委員会は福祉サービスの苦情解決を担います。
介護福祉職は状態変化を観察・記録・報告し、本人や家族、多職種と連携します。