34Q67|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、問題67、問題68について答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(73歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。 入居後、本人の同意のもとに短期目標を、「食事の準備に参加する」と設定し、順調に経過していた。ある日、Dさんが夕食の準備に来なかった。翌日、担当する介護福祉職が居室を訪ねて理由を聞くと、「盛り付けの見た目が・・・」と小声で言った。 当日のDさんの記録を見ると、「お茶を配ると席に座ったが、すぐに立ち上がり、料理を皿に盛り付けるEさんの手元を見ていた」「配膳された料理を見て、ため息をついた」とあった。その後、食事の準備には参加していないが、早く来て様子を見ている。また、食事中は談笑し、食事も完食している。 以上のことから再アセスメントを行うことになった。 Dさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.早く来て様子を見ている理由を分析する。
この問題のポイント
再アセスメントでは、計画どおりに参加しなくなったという結果だけで判断せず、利用者の発言、行動、表情、生活歴などの事実を集め、その行動の意味を分析します。根拠のない決めつけと、確認すべき仮説を区別します。
解説
Dさんは食事の準備には参加しなくなりましたが、準備の時間より早く来て、Eさんが料理を盛り付ける様子を見ています。また、「盛り付けの見た目が・・・」と話し、配膳された料理を見てため息をついています。これらの事実から、食事準備そのものへの関心がなくなったとは考えにくく、盛り付けや自分の役割について何らかの思いがある可能性があります。
再アセスメントでは、「なぜ早く来て様子を見ているのか」を分析し、本人にわかりやすく尋ねます。以前の家庭での役割、得意だった料理や盛り付け、現在任されている役割への思い、Eさんとの関係なども確認します。分析は仮説を立てる過程であり、「味が悪いと思っている」「Eさんから学びたい」と直ちに断定してはいけません。
Dさんは食事中に談笑し、食事を完食しています。このため、食事そのものへの不安や摂取上の問題より、食事準備への参加の仕方や役割の内容を中心に再検討する必要があります。
ひっかけポイント
記録された事実から考えられることと、確認していない解釈は別です。「ため息をついた」ことは事実ですが、その理由を「味が悪い」と決めることはできません。
介護実践でのポイント
認知症がある人の行動にも、その人なりの理由があります。行動を止めることを先に考えず、本人の言葉、表情、生活歴、環境との関係から意味を考えます。
選択肢の確認
1.お茶を配る能力について分析する。
適切ではありません。
お茶を配った後に席を立ち、盛り付けを見ていたことが記録されています。現在の変化を理解するには、配茶能力より、盛り付けや役割への関心を分析する必要があります。
2.ため息の意味を料理の味が悪いと解釈する。
適切ではありません。
Dさんは食事を完食し、食事中も談笑しています。ため息だけを根拠に、料理の味が悪いと断定することはできません。
3.早く来て様子を見ている理由を分析する。
正答。最も適切です。
食事準備に参加しない一方で早く来て見ているという行動は、Dさんの関心や希望を知る重要な手がかりです。その意味を分析し、本人に確認します。
4.安心して食事ができているかを分析する。
適切ではありません。
食事中は談笑し、完食しているため、食事を安心して摂取できるかという点は、この場面の中心的な課題ではありません。
5.Eさんに料理の盛り付けを学びたいと解釈する。
適切ではありません。
その可能性はありますが、事実として確認されていません。本人の生活歴や希望を聞かずに、一つの意味へ決めつけてはいけません。
覚えるポイント
再アセスメントでは、変化した行動の背景と意味を分析します。
事実と解釈を区別し、仮説は本人への確認によって確かめます。
参加しないという結果だけでなく、早く来て見ているという強みや関心にも注目します。