34Q51|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
便秘の傾向がある高齢者に自然排便を促すための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.散歩をするように勧める。
この問題のポイント
自然排便を促す基本は、食事・水分・運動・排便習慣を整えることです。散歩などの適度な運動は、全身の活動性を高め、腸の蠕動運動や排便に必要な筋力の維持につながります。
解説
高齢者は、加齢による腸管運動の低下、食事量や水分摂取量の減少、運動不足、腹筋力の低下、便意の我慢、薬の副作用など、複数の要因によって便秘になりやすくなります。
散歩は、無理のない範囲で全身を動かす有酸素運動です。身体活動によって腸の動きが促され、腹筋など排便に関わる筋力の維持にもつながるため、自然排便を促す生活支援として適切です。ただし、歩行能力や転倒リスク、循環器疾患、疼痛などを確認し、その人に合った距離・速さ・介助方法を選びます。
また、自然排便を支えるには、散歩だけでなく、必要な水分、食物繊維を含むバランスのよい食事、規則正しい生活、便意を我慢しない環境を整えることも重要です。食後、特に朝食後は、食べ物が胃に入ることで大腸の動きが高まる胃・結腸反射が起こりやすいため、本人の排便習慣に合わせてトイレに座る機会を設けます。
排便回数だけで便秘と判断せず、便の硬さ、排便時の苦痛やいきみ、残便感、腹部膨満、食欲、服薬状況などを総合的に観察します。
ひっかけポイント
「便秘にはトイレに長く座ればよい」とは限りません。便意や胃・結腸反射が起こりやすい時間を生かすことが大切で、就寝前に一律に座らせる方法は適切ではありません。
介護実践でのポイント
排便日、便の性状、水分・食事量、活動量、腹部症状を記録し、本人の排便パターンを把握します。強い腹痛、嘔吐、血便、急な便通の変化、著しい腹部膨満などがあれば、単なる便秘と決めつけず医療職へ報告します。
選択肢の確認
1.朝食を抜くように勧める。
誤りです。
朝食をとると胃・結腸反射によって大腸の運動が促され、排便しやすくなります。朝食を抜くと、規則的な排便の機会を失いやすくなります。
2.油を控えるように勧める。
誤りです。
脂質の過剰摂取には注意が必要ですが、健康状態を確認せず一律に油を控えることは、便秘への適切な介護とはいえません。適量の脂質は食事の一部として必要です。
3.散歩をするように勧める。
正しいです。
散歩などの適度な運動は、腸の蠕動運動を促し、腹筋をはじめとする排便に必要な筋力の維持にも役立つため、自然排便を促す支援として適切です。
4.腰部を冷やすように勧める。
誤りです。
腰部を冷やしても自然排便を促すことにはなりません。冷えは身体の緊張や不快感につながる可能性があり、本人が心地よく排泄できる環境を整えることが大切です。
5.就寝前にトイレに座るように勧める。
誤りです。
就寝前は、食後の胃・結腸反射を生かしやすい時間とは限りません。本人の便意や生活習慣を尊重し、一般には朝食後など腸が動きやすい時間にトイレへ行けるよう支援します。
覚えるポイント
- 便秘予防の基本は、食事・水分・運動・排便習慣である。
- 朝食後は胃・結腸反射によって排便しやすくなる。
- 高齢者への運動は、安全性を確認し、体力や歩行能力に合わせる。
- 便秘は回数だけでなく、便の硬さ、いきみ、残便感なども含めて評価する。
- 急な変化や強い腹部症状があるときは医療職へ報告する。