34PM146|第34回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の症例の病証・病態で最も適切なのはどれか。「60歳の男性。3か月前に知人との信頼関係が壊れ、強いいらだちを自覚してから下腹部の脹り、便秘がみられ、最近は頭痛や目の充血とともに尿の出も悪く残尿感が強くなった。寝汗はない。舌質は紅、舌苔は黄、脈は弦数を認める。」
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、精神的ストレスによる肝気の滞りが、熱化して肝鬱化火になった病証を読み取ります。
強いいらだち、頭痛、目の充血、便秘、尿の出が悪い、舌質紅、黄苔、弦数脈が重要です。
解説
肝は疏泄を主り、気の流れを調整するとされます。精神的ストレスや怒りにより肝気が滞ると、肝気鬱結が起こります。
この状態が長引いて熱化すると、肝鬱化火となります。肝鬱化火では、いらだち、怒りっぽい、頭痛、目の充血、胸脇や下腹部の張り、便秘、尿が濃い・出にくい、舌質紅、黄苔、弦数脈などがみられます。
本症例では、寝汗がないため陰虚内熱よりも実熱寄りの肝鬱化火が考えやすいです。肝血虚であれば舌質は淡く、脈は細になりやすく、目の充血や黄苔とは合いません。
まず見るポイント
肝気鬱結に、赤い舌、黄苔、数脈、目の充血、便秘などの熱所見が加われば肝鬱化火を考えます。
選択肢の確認
1.肝気鬱結
誤り。
肝気鬱結では胸脇部や下腹部の張り、抑うつ感、ため息などがみられます。ただし、本症例では舌質紅、黄苔、弦数脈、目の充血など熱化の所見があるため、肝鬱化火がより適切です。
2.肝陽上亢
誤り。
肝陽上亢では頭痛、めまい、耳鳴り、怒りっぽさなどがみられますが、肝腎陰虚を背景とすることが多いです。本症例では寝汗がなく、便秘や尿の出にくさ、黄苔などから肝鬱化火が適切です。
3.肝鬱化火
正しい。
精神的ストレスによる肝気の鬱滞に熱所見が加わっています。いらだち、頭痛、目の充血、便秘、舌質紅、黄苔、弦数脈は肝鬱化火に合います。
4.肝血虚
誤り。
肝血虚ではめまい、目のかすみ、しびれ、筋けいれん、舌質淡、脈細などがみられます。本症例の熱所見とは合いません。
覚えるポイント
- 肝気鬱結が長引いて熱化すると肝鬱化火になります。
- 肝鬱化火ではいらだち、頭痛、目の充血、便秘が重要です。
- 舌質紅、黄苔、弦数脈は熱を示す所見です。
- 肝血虚では舌質淡、脈細を考えます。
- 寝汗があれば陰虚内熱も鑑別しますが、本症例では肝鬱化火が最も適切です。