78PM95|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
スリット法でCR システムのプリサンプルドMTF を測定したところ、高空間 周波数領域でMTF が上昇した。 原因で考えられるのはどれか。
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正解: 5
正答
5.金属スリット長軸を画素列と平行にした。
問題のポイント
MTFは、画像システムがどれくらい細かい構造を再現できるかを表す指標です。
通常、空間周波数が高くなるほどMTFは低下します。
そのため、高空間周波数領域でMTFが不自然に上昇した場合は、測定手技やサンプリングの影響を疑います。
プリサンプルドMTFとは
デジタル画像では、画像が画素ごとにサンプリングされます。
このサンプリングの影響をできるだけ取り除き、検出器本来の解像特性を評価するために求めるMTFがプリサンプルドMTFです。
スリット法では、細い金属スリットを撮影してスリット像を得ます。
そのスリット像からLSFを作成し、フーリエ変換してMTFを求めます。
なぜスリットを画素列と平行にすると誤差が出るか
プリサンプルドMTFを正しく測定するには、金属スリットを画素列に対してわずかに傾けて配置します。
少し傾けることで、画素より細かい位置の情報を集めることができ、細かくサンプリングされたLSFを作成できます。
一方、スリット長軸を画素列と完全に平行にすると、同じサンプリング位置ばかりを拾うことになります。
その結果、サンプリング位置の偏りやエイリアシングの影響が出て、高空間周波数領域でMTFが見かけ上上昇することがあります。
したがって、原因として最も考えられるのは、5.金属スリット長軸を画素列と平行にした、です。
他の選択肢との区別
1.階調補正を行った。
MTF測定では、画像処理をできるだけかけず、線形性を保ったデータを用いる必要があります。
階調補正は測定値に影響する可能性がありますが、本問のように高空間周波数領域でMTFが上昇する典型的原因は、スリットと画素列の位置関係によるサンプリング誤差です。
2.有効露光量変換を行わなかった。
CR画像では、画素値を有効露光量に変換してから解析することが重要です。
変換しないと正確なMTF測定の妨げになりますが、高空間周波数領域のMTF上昇の典型的原因としては不適切です。
3.雑音による量子モトルが強く出た。
量子モトルはX線量子数のゆらぎによる雑音です。
主にノイズ特性に影響しますが、MTFが高空間周波数で系統的に上昇する原因とは考えにくいです。
4.イメージングプレートが劣化していた。
イメージングプレートが劣化すると、一般に画質や信号の安定性が悪くなります。
しかし、高空間周波数領域のMTFが不自然に上昇する典型的原因ではありません。
5.金属スリット長軸を画素列と平行にした。
正しいです。
画素列と平行にするとサンプリング位置が偏り、エイリアシングなどによってMTFが見かけ上高くなることがあります。
覚えるポイント
スリット法でプリサンプルドMTFを測定するときは、
- スリットを画素列に対して少し傾ける
- 画像処理をかけないデータを使う
- 露光量変換など、解析に必要な前処理を行う
ことが重要です。
高空間周波数側でMTFが不自然に上がったら、まずサンプリングやエイリアシングの影響を考えます。
本問では、スリット長軸を画素列と平行にしたことが原因です。