78PM62第78回 診療放射線技師国家試験 過去問

理工学・放射線科学物質との相互作用光子

光子の水に対する質量減弱係数(A)と質量エネルギー転移係数(B)のエネルギー 依存性を図に示す。 水中で1 MeV 光子がコンプトン反跳電子に付与する平均エネルギー[MeV]に最 も近いのはどれか。

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正解: 3

正答

3.0.43

この問題のポイント

図から、1 MeVにおける

  • 質量減弱係数 A
  • 質量エネルギー転移係数 B

を読み取り、その比から「光子エネルギーのうち、電子へ移される割合」を求める問題です。

水中で1 MeV付近の光子相互作用は、主にコンプトン散乱です。
そのため、光子から荷電粒子へ移されるエネルギーは、主にコンプトン反跳電子に与えられるエネルギーと考えます。

図の見方

図の横軸は光子エネルギー[MeV]、縦軸は係数[cm²/g]です。

1 MeVの位置で、2本の曲線を読み取ります。

  • A:質量減弱係数
  • B:質量エネルギー転移係数

図からおおよそ、

  • A ≒ 0.07 cm²/g
  • B ≒ 0.03 cm²/g

と読めます。

ここで重要なのは、B/A の比です。

なぜ B/A を使うのか

質量減弱係数 A は、光子が相互作用を起こして、入射方向から取り除かれる確率を表します。

一方、質量エネルギー転移係数 B は、光子エネルギーのうち、荷電粒子、つまり電子へ移されるエネルギーの割合を反映します。

したがって、

B / A

を計算すると、1回の相互作用で光子エネルギーのうち平均してどれくらいが電子へ移されるかを表します。

計算

1 MeVでの値を図から読み取ると、

A ≒ 0.07
B ≒ 0.03

なので、

B / A ≒ 0.03 / 0.07 ≒ 0.43

1 MeV光子なので、電子へ付与される平均エネルギーは、

1 MeV × 0.43 = 0.43 MeV

となります。

したがって、最も近い値は
0.43 MeV です。

選択肢の確認

1.0.24
誤りです。
1 MeVでのB/Aを図から読むと約0.43であり、0.24より大きくなります。

2.0.31
誤りです。
B/Aをやや小さく読みすぎた値です。図ではBはAの約4割程度であり、0.31より大きい値になります。

3.0.43
正しいです。
1 MeVで、質量エネルギー転移係数Bを質量減弱係数Aで割ると約0.43です。
したがって、1 MeV光子がコンプトン反跳電子に付与する平均エネルギーは約0.43 MeVです。

4.0.52
誤りです。
電子へ移される割合をやや大きく見積もった値です。図から読むB/Aは約0.43です。

5.0.67
誤りです。
1 MeV光子のエネルギーの大部分が電子へ移るわけではありません。コンプトン散乱では散乱光子もエネルギーを持って出ていくため、平均付与エネルギーはこれより小さくなります。

覚えるポイント

質量減弱係数と質量エネルギー転移係数の関係は、次のように整理します。

  • 質量減弱係数:光子が相互作用で減弱する程度
  • 質量エネルギー転移係数:光子エネルギーが荷電粒子へ移る程度
  • B/A:光子エネルギーのうち電子へ移される平均割合

この問題では、

1 MeVで
B/A ≒ 0.43

となるため、

1 MeV × 0.43 = 0.43 MeV

したがって、正しい選択肢は
3.0.43
です。

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