78PM11第78回 診療放射線技師国家試験 過去問

核医学診療技術学放射化学分離分離の基本

放射化学分離で正しいのはどれか。

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正解: 4

正答

4.無担体の放射性核種の比放射能はその核種によって決まる。

この問題のポイント

放射化学分離では、微量の放射性核種を化学的に分離・精製します。

この問題では、次の用語を区別できるかがポイントです。

  • 溶媒抽出法
  • 担体
  • ラジオコロイド
  • 無担体
  • 比放射能
  • スカベンジャ

特に重要なのは、無担体の放射性核種では比放射能が核種固有の性質で決まる という点です。

解説

比放射能とは、単位質量あたりの放射能のことです。

無担体とは、目的の放射性核種に対して、安定同位体などの担体を加えていない状態をいいます。
担体が含まれない理想的な状態では、存在する原子のほとんどが放射性核種そのものです。

放射能は、放射性核種の壊変定数、つまり半減期に関係します。
そのため、無担体の放射性核種の比放射能は、主にその核種の半減期や原子量など、核種固有の性質によって決まります。

したがって、正しい記述は
4.無担体の放射性核種の比放射能はその核種によって決まる。
です。

選択肢の確認

1.溶媒抽出法は溶解度積を利用した分離法である。
誤りです。
溶媒抽出法は、水相と有機相のように互いに混ざりにくい2つの液相の間で、目的物質がどちらに移りやすいかを利用する分離法です。
つまり、分配係数や錯体形成などを利用します。
溶解度積を利用する代表的な分離法は、沈殿分離です。

2.担体は対象とする放射性核種の同位体に限られる。
誤りです。
担体は、微量の放射性核種を扱いやすくするために加える安定な物質です。
対象核種と同じ元素の安定同位体を加える場合もありますが、担体はそれだけに限られません。
共沈担体や保持担体など、目的に応じてさまざまな担体が使われます。

3.担体を加えてもラジオコロイドの生成は防げない。
誤りです。
放射性核種が極微量で存在すると、容器壁への吸着や加水分解などにより、ラジオコロイドを形成することがあります。
担体を加えることで、放射性核種の化学的状態を安定させ、ラジオコロイドの生成や吸着を抑えられる場合があります。
したがって、「防げない」と断定するのは不適切です。

4.無担体の放射性核種の比放射能はその核種によって決まる。
正しいです。
無担体では、安定同位体などによって希釈されていないため、比放射能は核種の半減期など核種固有の性質で決まります。
これが本問の正答です。

5.目的の放射性核種の沈殿を防ぐためにスカベンジャを加える。
誤りです。
スカベンジャは、主に不要な放射性核種や不純物を沈殿などに取り込ませて除去するために加えます。
目的核種の沈殿を防ぐために加えるものではありません。
目的核種を溶液中に残したい場合と、不純物を沈殿として除きたい場合を区別して考えます。

覚えるポイント

放射化学分離では、用語の役割を整理して覚えます。

  • 溶媒抽出法:水相と有機相への分配を利用する
  • 沈殿分離:溶解度積などを利用する
  • 担体:微量の放射性核種を扱いやすくするために加える
  • ラジオコロイド:極微量核種の吸着や加水分解などで生じることがある
  • スカベンジャ:不要な核種や不純物を除去するために加える
  • 無担体:安定同位体で希釈されていない状態
  • 無担体の比放射能:核種の半減期など、核種固有の性質で決まる

この問題では、無担体の放射性核種の比放射能に関する記述が正しいため、答えは
4.無担体の放射性核種の比放射能はその核種によって決まる。
です。

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