78AM58|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
放射線発がんで正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3.リスク評価には日本の原爆被爆者データが用いられている。
問題のポイント
放射線発がんは、確率的影響に分類されます。
確率的影響では、線量が高いほど発生確率が高くなると考えますが、重症度が線量に比例して重くなるわけではありません。
放射線防護では、発がんリスクについて、しきい値なし直線モデル〈LNTモデル〉を基本に考えることが多いです。
なぜ3が正しいか
放射線発がんリスクの評価では、日本の広島・長崎の原爆被爆者の追跡調査データが重要な基礎資料として用いられています。
原爆被爆者データは、
- 被ばく線量の推定が行われている
- 長期間の追跡が行われている
- 白血病や固形癌の発生リスク評価に用いられている
- 放射線防護基準の根拠として重要である
という特徴があります。
したがって、3.リスク評価には日本の原爆被爆者データが用いられている、が正しいです。
他の選択肢との区別
1.リスクは男性が女性の2倍とされる。
誤りです。
放射線発がんリスクは、年齢、性別、臓器、被ばく線量などによって異なります。
一般に、女性の方がリスクが高いと評価されるがんも多く、「男性が女性の2倍」とは一律にいえません。
2.固形癌の発生は被ばく後7〜8年でピークとなる。
誤りです。
白血病は比較的早く増加し、数年後にピークを示すことがあります。
一方、固形癌は潜伏期間が長く、被ばく後10年以上経過してから増加が明らかになることが多いです。
7〜8年でピークという記述は固形癌には合いません。
3.リスク評価には日本の原爆被爆者データが用いられている。
正しいです。
広島・長崎の原爆被爆者の疫学データは、放射線発がんリスク評価の重要な基礎です。
4.放射線の影響の判断には相対リスクより絶対リスクが適している。
誤りです。
放射線発がんリスクの評価では、相対リスク、過剰相対リスク、絶対リスク、過剰絶対リスクなどを目的に応じて使い分けます。
「相対リスクより絶対リスクが適している」と一律にいうのは不適切です。
5.皮膚以外に発生するものは線量効果関係においてしきい値を有する。
誤りです。
放射線発がんは確率的影響であり、放射線防護上はしきい値がないものとして扱います。
「皮膚以外のがんにはしきい値がある」とする記述は誤りです。
覚えるポイント
放射線発がんでは、次の点を押さえます。
- 確率的影響である
- 防護上はしきい値なしとして扱う
- リスク評価には原爆被爆者データが重要
- 白血病は比較的早期に増加する
- 固形癌は長い潜伏期間を経て増加する
本問では、原爆被爆者データが放射線発がんリスク評価に用いられているため、正答は3です。