78AM11第78回 診療放射線技師国家試験 過去問

核医学診療技術学放射性標識化合物保存

標識化合物の分解を防ぐ保存法で正しいのはどれか。 2 つ選べ。

2つ選択
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正解: 2・5

正答

2.窒素ガスを充塡する。
5.ラジカルスカベンジャを添加する。

問題のポイント

標識化合物は、放射性核種を含む化合物です。
放射線を自分自身で出しているため、保存中に分子が壊れることがあります。

この分解を自己放射線分解、または放射線分解といいます。

標識化合物の分解を防ぐには、

  • 酸素による酸化を防ぐ
  • 放射線で生じたラジカルの反応を抑える
  • 放射能濃度を高くしすぎない
  • 比放射能を高くしすぎない
  • 必要に応じて低温・遮光で保存する

という考え方が重要です。

なぜ2が正しいか

容器内に酸素が多いと、標識化合物が酸化されて分解しやすくなります。

そこで、容器内を窒素ガスで置換・充塡すると、酸素を追い出すことができます。
酸素が少なくなることで酸化反応が抑えられ、標識化合物の分解を防ぎやすくなります。

したがって、2.窒素ガスを充塡する、は正しいです。

なぜ5が正しいか

放射線が水や溶媒に作用すると、反応性の高いラジカルが発生します。
このラジカルが標識化合物と反応すると、化学構造が壊れて分解が進みます。

ラジカルスカベンジャは、発生したラジカルを捕捉して反応を抑える物質です。
そのため、標識化合物の放射線分解を防ぐ目的で添加されることがあります。

したがって、5.ラジカルスカベンジャを添加する、は正しいです。

他の選択肢との区別

1.常温で保存する。
誤りです。
一般に化学反応は温度が高いほど進みやすくなります。
標識化合物の分解を抑えるには、常温よりも冷蔵・冷凍など低温保存が有効な場合があります。

2.窒素ガスを充塡する。
正しいです。
酸素を除いて酸化分解を抑えることができます。

3.比放射能を高くする。
誤りです。
比放射能が高いほど、単位物質量あたりの放射能が大きくなります。
その分、自己放射線分解が起こりやすくなるため、分解防止には不利です。

4.放射能濃度を高くする。
誤りです。
放射能濃度が高いほど、溶液中で放射線分解が起こりやすくなります。
分解を防ぐには、必要に応じて希釈し、放射能濃度を下げることが有効です。

5.ラジカルスカベンジャを添加する。
正しいです。
放射線によって生じたラジカルを捕捉し、標識化合物の分解を抑えます。

覚えるポイント

標識化合物の分解防止では、

  • 窒素ガス充塡:酸素を除いて酸化を防ぐ
  • ラジカルスカベンジャ添加:ラジカル反応を抑える
  • 低温保存:化学反応を抑える
  • 低濃度保存:自己放射線分解を抑える

と整理します。

本問では、分解を防ぐ保存法として、2.窒素ガスを充塡する、5.ラジカルスカベンジャを添加する、が正答です。

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