77AM64|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
核磁気共鳴の緩和現象で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、MRI の基本である 核磁気共鳴の緩和現象 が問われています。
正しいのは、縦緩和時間は物質の温度に依存するという記述です。
縦緩和時間 T1 は、スピン系が周囲の格子にエネルギーを渡して、縦磁化が回復する時間を表します。
この過程は分子運動や相互作用に影響されるため、温度によって変化します。
解説
核磁気共鳴では、RF パルスにより磁化が励起された後、磁化は平衡状態へ戻ります。
この回復過程を緩和といいます。
緩和には、主に次の 2 種類があります。
- 縦緩和〈T1 緩和〉
- 横緩和〈T2 緩和〉
縦緩和
縦緩和は、縦磁化が回復する過程です。
スピンが周囲の分子環境、つまり格子へエネルギーを渡すため、スピン格子緩和とも呼ばれます。
T1 は、分子運動、粘性、温度、磁場強度、組織の性質などに影響されます。
横緩和
横緩和は、横磁化が減衰する過程です。
スピン同士の位相がずれていくため、スピンスピン緩和とも呼ばれます。
T2 は一般に T1 より短く、横磁化は時間とともに指数関数的に減衰します。
ひっかけポイント
磁場の不均一性は、真の T2 ではなく T2* に強く影響します。
T1 と T2 と T2*を区別して覚えることが重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
縦緩和時間 T1 は、磁場均一性そのものに依存するというより、分子運動、温度、組織特性、磁場強度などに依存します。
磁場不均一性の影響を強く受けるのは、主に T2* 減衰です。
2.正しい。
縦緩和時間 T1 は、物質の温度に依存します。
温度が変わると分子運動や相関時間が変化し、スピン格子緩和の効率が変わります。
3.誤り。
一般に、横緩和時間 T2 は縦緩和時間 T1 より短いです。
通常、T2 は T1 以下になります。
4.誤り。
横磁化は時間とともに直線的に減少するのではありません。
横磁化は、一般に指数関数的に減衰します。
5.誤り。
90 度 RF パルス印加により、縦磁化は横方向へ倒されます。
そのため、パルス印加直後には縦磁化は減少し、パルス後に T1 緩和により回復します。
覚えるポイント
- T1 = 縦緩和時間、スピン格子緩和。
- T2 = 横緩和時間、スピンスピン緩和。
- T1 は温度や分子運動に依存する。
- T2 は一般に T1 より短い。
- 横磁化は指数関数的に減衰する。
- 磁場不均一性は主に T2* に影響する。