76PM66|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
全身被ばくで正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、全身被ばくによる 急性放射線症候群の線量域と症状が問われています。
被ばく直後に意識消失が起こる場合は、きわめて高線量の全身被ばくを示唆します。
このような場合は中枢神経障害を伴う重篤な被ばくであり、致死的です。
解説
全身被ばくでは、線量に応じて障害される主な臓器系が変わります。
おおまかには次のように整理します。
造血器症候群
数 Gy 程度から問題になります。骨髄抑制、白血球減少、感染、出血などが重要です。腸管症候群
より高線量で問題になります。腸管粘膜障害、下痢、脱水、感染などが起こります。中枢神経症候群
さらに高線量で起こります。意識障害、けいれん、昏睡などを示し、予後は極めて不良です。
被ばく直後に意識消失がある場合は、中枢神経症候群を疑うほどの高線量被ばくです。
したがって、これは致死的な状況と判断します。
一方、γ 線 6 Gy 程度では主に造血器症候群が問題となります。腸管死が主な死因とはいえません。
また、X 線 3 Gy の全身被ばくで、10 分以内に重度の頭痛が生じるとは通常考えにくいです。
ひっかけポイント
急性放射線症候群では、症状が早く出るほど高線量を示唆します。
被ばく直後の意識消失は、非常に重篤な所見です。
選択肢の確認
1.誤り。
γ 線 6 Gy の全身被ばくでは、主に造血器症候群が問題になります。腸管死が主な死因とするのは不適切です。
2.正しい。
被ばく直後に意識消失がある場合は、非常に高線量の全身被ばくを示唆します。中枢神経症候群を伴う重篤な状態であり、致死的です。
3.誤り。
X 線 3 Gy の全身被ばくでは、悪心、嘔吐、骨髄抑制などが問題になりますが、10 分以内に重度の頭痛が生じる線量域とは考えにくいです。
4.誤り。
線量が高いほど症状出現は早くなりますが、さらに高線量では腸管死よりも中枢神経死が先行します。そのため、単純に腸管死までの期間が短くなるとする表現は不適切です。
5.誤り。
中性子線は高 LET 放射線で RBE が高く、生物学的影響が大きくなります。中性子線 3 Gy の全身被ばくを、適切な治療介入で回復可能と一般化するのは不適切です。
覚えるポイント
- 全身被ばくでは線量に応じて造血器、腸管、中枢神経が障害されます。
- 数 Gy では造血器症候群が重要です。
- 高線量では腸管症候群、さらに高線量では中枢神経症候群が問題になります。
- 被ばく直後の意識消失は非常に重篤で致死的です。
- 中性子線は RBE が高く、同じ Gy でも影響が大きくなります。