76AM67|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
温熱療法で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、がん治療における **温熱療法〈ハイパーサーミア〉**の作用機序が問われています。
温熱療法では、腫瘍組織を加温し、がん細胞に熱障害を与えます。
主な標的は、細胞内の 蛋白質変性や膜障害、DNA 修復阻害などです。
解説
温熱療法は、腫瘍部を加温してがん細胞の障害を強める治療法です。
がん組織は、正常組織に比べて血流が不均一で、熱が逃げにくいことがあります。そのため、正常組織より腫瘍組織の温度が上がりやすい場合があります。
温熱による細胞障害では、次のような作用が重要です。
- 蛋白質変性
- 細胞膜障害
- DNA 修復阻害
- 低酸素細胞への効果
- 放射線感受性の増強
- 抗がん薬効果の増強
温熱療法は放射線治療や化学療法と併用されることがあり、低酸素細胞や酸性環境の腫瘍細胞にも効果が期待されます。
ひっかけポイント
温熱療法は「毎日行う治療」と決められているわけではありません。
また、効果を出すには単に 39〜42 ℃を長時間保てばよいというより、腫瘍組織に十分な熱量を与えることが重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
温熱療法は放射線治療と併用されることがありますが、放射線治療期間中に毎日行うとは限りません。治療計画に応じた頻度で実施されます。
2.誤り。
温熱療法は細胞周期の S 期など、放射線抵抗性を示す細胞にも効果を示しやすいとされます。M 期に効果が最も高いという記述は適切ではありません。
3.正しい。
温熱療法では、がん組織の蛋白質変性や細胞膜障害などを介して細胞障害を起こすことが重要です。
4.誤り。
腫瘍組織は血流が不均一で熱がこもりやすく、正常組織より温度が上がりやすいことがあります。正常組織の方が上がりやすいという記述は不適切です。
5.誤り。
温熱療法では、腫瘍部を一般に 42〜43 ℃程度まで加温することが目標になります。39〜42 ℃を長時間保つという記述は、治療効果を説明する表現としては不十分です。
覚えるポイント
- 温熱療法は腫瘍を加温して細胞障害を起こします。
- 主な作用には 蛋白質変性、膜障害、DNA 修復阻害があります。
- 放射線治療や化学療法との併用効果が期待されます。
- 腫瘍組織は血流が不均一で熱がこもりやすいことがあります。
- 温熱療法は、放射線抵抗性になりやすい低酸素細胞にも効果が期待されます。