120B19第120回 医師国家試験 過去問

総合診療・救急・ケア総合診療医療面接・患者中心

痛みを訴える患者に対する医療面接において、冒頭で行う質問で最も適切なのはどれか。

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正解: c

正解

c 「痛みについて詳しく教えていただけますか」

解説

医療面接の冒頭では、患者が自分の言葉で症状を説明できるように、開かれた質問から始めるのが基本です。

痛みを訴える患者に対しては、いきなり原因や数値、性状を限定して尋ねるのではなく、「痛みについて詳しく教えていただけますか」と広く尋ねることで、患者の訴えの全体像を把握できます。

その後に、痛みの部位、発症時期、持続時間、性状、程度、増悪・寛解因子、随伴症状などを具体的に確認します。

冒頭で開かれた質問を使う理由

開かれた質問は、患者が自由に話せる質問です。

医療者が最初から選択肢を狭めすぎると、患者が本当に困っていることや、重要な症状が聞き出せないことがあります。

痛みの評価では、診断に直結する情報が多いため、まず患者の語りを遮らずに聴く姿勢が大切です。

痛みの評価で後から確認する項目

冒頭で患者の話を聞いた後、必要に応じて次のような項目を確認します。

  • 部位
  • 発症時期
  • 持続時間
  • 痛みの性状
  • 痛みの強さ
  • 増悪因子
  • 寛解因子
  • 随伴症状
  • 生活への影響
  • 患者の不安や解釈

これらは重要ですが、面接の最初から細かく限定して聞くより、全体像をつかんでから整理して聞く方が自然です。

各選択肢の検討

  • a 「その痛みの原因は何だと思いますか」
    誤りです。患者の解釈を尋ねることは患者中心型医療で重要ですが、痛みの訴えに対する冒頭の質問としてはやや踏み込みすぎています。まずは痛みの内容を自由に話してもらうことが優先されます。

  • b 「痛みの他にどんな症状がありましたか」
    誤りです。随伴症状の確認としては重要ですが、痛みそのものの全体像を聞く前に、話題を別の症状へ移してしまっています。

  • c 「痛みについて詳しく教えていただけますか」
    正しいです。開かれた質問であり、患者が痛みについて自由に説明できます。冒頭の質問として最も適切です。

  • d 「10段階で表すとその痛みの程度はどのくらいでしたか」
    誤りです。痛みの強さを数値化する NRS の質問として有用ですが、これは詳細確認の段階で行う閉じた質問です。冒頭で最初に行う質問としては限定的です。

  • e 「その痛みは刺すような感じですか、それとも鈍い感じですか」
    誤りです。痛みの性状を確認する質問として有用ですが、選択肢を提示しているため閉じた質問に近く、冒頭の自由な語りを促す質問としては最適ではありません。

ひっかけポイント

痛みの診察では、NRS や痛みの性状の確認がとても重要です。
しかし、この問題では「冒頭で行う質問」が問われています。

そのため、医学的に有用な質問であっても、最初に行う質問として適切かどうかで判断します。

国試での判断軸

医療面接の冒頭では、次の順番を意識します。

  1. 開かれた質問で患者に自由に話してもらう。
  2. 患者の話を傾聴し、要約や共感を示す。
  3. 必要な情報を閉じた質問で整理する。
  4. 患者の不安、解釈、期待、生活への影響も確認する。

覚えるポイント

  • 面接の冒頭は、開かれた質問が基本です。
  • 「詳しく教えていただけますか」は、患者の語りを促す適切な表現です。
  • 数値評価や性状の確認は重要ですが、冒頭ではなく詳細確認の段階で行います。
  • 「何を聞くか」だけでなく、どの順番で聞くかが国試では問われます。

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