117C70|第117回 医師国家試験 過去問
内科系循環器大動脈・末梢血管
この患者の心エコー検査で認められる所見はどれか。
解答・解説を見る
正解: b
正解
b 拡張期の右室の虚脱
解説
前問の病態は、急性大動脈解離に合併した心タンポナーデである。
心タンポナーデでは、心嚢内圧が上昇して心腔の拡張が障害されるため、心エコーで特徴的な所見がみられる。
その代表が、拡張期の右室虚脱である。
なぜ右室が虚脱するのか
右心系は左心系よりも圧が低いため、心嚢内圧が上がるとまず圧迫されやすい。
とくに拡張期は心室が広がろうとする時相なので、右室自由壁が外から押されて虚脱してみえる。
各選択肢の検討
a 下大静脈の虚脱
誤りである。心タンポナーデでは右房圧が高くなるため、むしろ下大静脈は拡張し、虚脱しにくい。b 拡張期の右室の虚脱
正しい。心タンポナーデの典型的な心エコー所見である。c 収縮期の右房の拡大
誤りである。心タンポナーデで問題となる代表所見は右房収縮ではなく、右房収縮期虚脱や右室拡張期虚脱である。右房の拡大そのものを答える設問ではない。d 上行大動脈基部の狭窄
誤りである。急性大動脈解離で評価するのは内膜フラップや大動脈弁逆流、心嚢液貯留であり、基部狭窄が典型所見ではない。e 下大静脈径の呼吸性変動の増加
誤りである。心タンポナーデでは呼吸性変動は減少する。
ひっかけポイント
心タンポナーデの心エコーでは、
下大静脈は拡張して呼吸性変動が乏しくなる。
したがって、a と e はどちらも逆である。
覚えるポイント
心タンポナーデの代表的心エコー所見は、
- 右室拡張期虚脱
- 下大静脈拡張
- 下大静脈の呼吸性変動低下
である。
この問題では、最も典型的な 右室拡張期虚脱 を選ぶ。