117B50|第117回 医師国家試験 過去問
血液検査を行ったところ、以下の結果が得られた。 血液所見:赤血球321万、Hb 9.0g/dL、Ht 28%、白血球10,300、血小板12万、Dダイマー0.2μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白5.7g/dL、アルブミン2.9g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST 20U/L、ALT 25U/L、LD 185U/L(基準120~245)、ALP 110U/L(基準38~113)、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、尿酸6.5mg/dL、血糖85mg/dL、HbA1c 5.0%(基準4.6~6.2)、総コレステロール210mg/dL、トリグリセリド110mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 101mEq/L。 治療のためベッド上安静が必要であると判断された。 肺塞栓症予防のため有用なのはどれか。
解答・解説を見る
正解: e
正解
e 弾性ストッキング着用
解説
ベッド上安静が必要になると、下肢静脈の血流がうっ滞しやすくなり、深部静脈血栓症から肺塞栓症を起こす危険が高くなる。
その予防として有用なのが弾性ストッキングである。
なぜ弾性ストッキングが有効か
弾性ストッキングは下肢を適度に圧迫することで、静脈還流を促進し、静脈うっ滞を軽減する。
その結果、血栓形成の予防に役立つ。
特に、この症例は外傷後で出血も問題となりうるため、予防目的の抗凝固や血栓溶解を安易に選ぶ場面ではない。
その点でも、機械的予防法である弾性ストッキングは重要である。
各選択肢の検討
a 酸素投与
誤りである。酸素投与は低酸素血症への対症療法であり、肺塞栓症の予防にはならない。b 抗菌薬投与
誤りである。感染予防や治療の薬であり、静脈血栓予防には無関係である。c 血栓溶解薬投与
誤りである。血栓溶解薬は成立した重症血栓症の治療であり、予防目的には用いない。外傷患者では出血リスクの面でも不適切である。d 気管支拡張薬吸入
誤りである。喘息やCOPDに対する治療であり、肺塞栓症予防には無関係である。e 弾性ストッキング着用
正しい。長期臥床時の静脈血栓塞栓症予防として有用である。
ひっかけポイント
肺塞栓症という言葉から、治療薬である血栓溶解薬を選びたくなるが、本問は予防を問うている。
予防の基本は、
- 早期離床
- 下肢運動
- 弾性ストッキング
- 必要に応じた抗凝固
である。
覚えるポイント
長期臥床による肺塞栓症予防では、まず弾性ストッキングなどの機械的予防を考える。