116F66|第116回 医師国家試験 過去問
内科系循環器弁膜症・心雑音
この患者に出現した弁膜症の原因として最も考えられるのはどれか。
解答・解説を見る
正解: a
正解
- a 腱索断裂
解説
前問で考えられた病態は急性僧帽弁閉鎖不全症です。その原因として最も考えやすいのは腱索断裂です。
心エコーで僧帽弁後尖に線維状の構造物が付着しているという所見は、断裂した腱索を反映していると考えられます。腱索が切れると弁尖の支持が失われ、flail leaflet となって急激に逆流が増加します。
各選択肢の検討
a 腱索断裂
正しいです。急性僧帽弁閉鎖不全症の典型的原因で、本症例の心エコー所見とも合います。b 乳頭筋断裂
誤りです。乳頭筋断裂も急性僧帽弁閉鎖不全症の原因ですが、典型的には急性心筋梗塞後に起こります。本症例では心筋トロポニンT陰性で、局所壁運動異常もなく、心筋梗塞を示唆しません。c 動脈硬化症
誤りです。動脈硬化は急性僧帽弁閉鎖不全症の直接原因としては考えにくいです。d Marfan症候群
誤りです。Marfan症候群では大動脈基部拡張や僧帽弁逸脱を伴うことがありますが、この症例のような突然の経過を最もよく説明する所見ではありません。e 感染性心内膜炎
誤りです。感染性心内膜炎でも弁破壊による逆流は起こりえますが、発熱、炎症反応上昇、疣贅を示唆する所見が乏しく、優先度は低いです。
ひっかけポイント
急性僧帽弁閉鎖不全症の原因としては、腱索断裂と乳頭筋断裂の区別が頻出です。
この2つを分ける鍵は、心筋梗塞を示唆する所見があるかどうかです。
覚えるポイント
- 腱索断裂は急性MRの代表的原因です。
- 乳頭筋断裂は心筋梗塞後合併症として重要です。
- 心エコーで弁尖に付着する線維状構造物が見えたら、断裂した腱索を考えます。