34PM67|第34回 柔道整復師国家試験 過去問
20歳の男性。サッカーで後方に左手を突いて転倒し受傷した。病院にて骨折と診断された。受傷時の単純エックス線写真を別に示す。ギプスによる保存的治療を8週間行ったが、半年の時点でも疼痛は残存している。正しいのはどれか。

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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、手を突いて転倒した後の手関節部痛と単純エックス線画像から、舟状骨骨折を判断します。
舟状骨骨折では、解剖学的嗅ぎタバコ入れ窩、snuffboxの圧痛が重要です。
解説
画像では、手根骨橈側にある舟状骨に骨折を疑う所見がみられます。受傷機転も、後方に手を突いて転倒しているため、手関節背屈位で軸圧が加わる典型的な舟状骨骨折の状況です。
舟状骨骨折では、母指基部の橈背側にあるsnuffboxに限局した圧痛が出やすくなります。snuffboxは、長母指伸筋腱、短母指伸筋腱、長母指外転筋腱に囲まれるくぼみで、その底に舟状骨があります。
舟状骨は血流が特徴的で、主に遠位側から入り近位側へ向かいます。そのため、近位骨片は血流が悪くなりやすく、遷延治癒、偽関節、阻血性壊死を起こしやすい骨です。
この症例では、ギプス固定を8週間行っても半年後に疼痛が残っています。舟状骨骨折の遷延治癒や偽関節を考え、単に徒手整復や再ギプス固定を行う段階ではなく、医科での精査と治療方針の再検討が必要です。
図で見るポイント
手根骨の橈側、母指側にある舟状骨を確認します。舟状骨は細長くくびれた形をしており、骨折は中央部の腰部付近に起こりやすいです。
ひっかけポイント
舟状骨の血流は近位からではなく、主に遠位から近位へ向かいます。このため近位骨片の血行障害が問題になります。
施術現場での注意点
手を突いた後の手関節橈側痛でsnuffbox圧痛がある場合、初期エックス線で明らかでなくても舟状骨骨折を疑います。見逃すと偽関節や手関節機能障害につながるため、医科での画像評価が重要です。
選択肢の確認
1.徒手整復を行う。
誤り。
舟状骨骨折では、転位の有無や骨癒合状態を画像で確認して治療方針を決めます。受傷から半年経過して疼痛が残る場合は、遷延治癒や偽関節を疑うため、徒手整復を行う段階ではありません。
2.snuffboxに圧痛がある。
正しい。
舟状骨はsnuffboxの底に位置するため、舟状骨骨折ではsnuffboxに圧痛がみられます。手を突いて転倒した後の橈側手関節痛では、最重要の確認所見です。
3.再度ギプス固定を行う。
誤り。
8週間のギプス固定後も半年時点で疼痛が残っているため、単純に再度ギプス固定を行うのではなく、遷延治癒や偽関節を疑って医科で精査します。必要に応じて手術的治療が検討されます。
4.この骨の血流は近位から入る。
誤り。
舟状骨の血流は主に遠位側から入り、近位側へ向かいます。そのため近位骨片は血行不良になりやすく、阻血性壊死や偽関節を起こしやすい点が重要です。
覚えるポイント
- 舟状骨骨折は手を突いた転倒で起こりやすい。
- 重要所見はsnuffbox圧痛。
- 舟状骨の血流は主に遠位から近位へ向かう。
- 近位骨片は血行障害により阻血性壊死、遷延治癒、偽関節を起こしやすい。
- 固定後も疼痛が残る場合は、再評価と医科での治療方針確認が必要。
