33PM112第33回 柔道整復師国家試験 過去問

柔道整復理論・外傷学軟部組織損傷肩腱板・上腕二頭筋長頭腱

50歳の男性。日常生活で肩関節外転時に痛みを自覚したため来所した。肩部に腫脹はないが、肩関節外転筋力が低下している。肩内旋・屈曲で痛みを訴えるが、肩外旋・屈曲あるいは肩伸展では痛みを訴えない。肘関節屈曲に対する前腕への抵抗運動では痛みを訴えない。考えられるのはどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、肩関節外転時痛と外転筋力低下から、棘上筋腱損傷を考えます。

棘上筋は肩関節外転の初期に重要な筋で、腱板を構成します。肩関節外転時の疼痛、外転筋力低下、インピンジメント肢位での痛みがポイントです。

解説

棘上筋は肩甲骨棘上窩から起こり、上腕骨大結節に停止します。肩関節外転の開始に関係し、腱板として肩関節の安定性にも関わります。

肩内旋・屈曲で痛みが出ることは、棘上筋腱が肩峰下で圧迫されるインピンジメントを示唆します。一方、肩外旋・屈曲や肩伸展で痛みを訴えないこと、肘関節屈曲に対する抵抗運動で痛みがないことから、上腕二頭筋長頭腱炎やSLAP損傷は考えにくくなります。

肩甲下筋腱損傷では、内旋筋力低下やリフトオフテストなどが重要であり、この症例の中心所見である外転筋力低下とは合いにくいです。

鑑別のポイント
肩の痛みでは、痛む運動方向と筋力低下の方向を結びつけます。外転筋力低下なら棘上筋、内旋筋力低下なら肩甲下筋、肘屈曲抵抗痛なら上腕二頭筋長頭腱を考えます。

選択肢の確認

1.SLAP損傷
誤り。
SLAP損傷は肩関節唇上方部の損傷で、投球動作や牽引外力、上腕二頭筋長頭腱付着部の症状と関連します。この症例では肘屈曲抵抗運動で痛みがなく、外転筋力低下が中心です。

2.棘上筋腱損傷
正しい。
棘上筋は肩関節外転に重要です。外転時痛、外転筋力低下、肩内旋・屈曲での痛みは棘上筋腱損傷を考える所見です。

3.肩甲下筋腱損傷
誤り。
肩甲下筋は肩関節内旋に働く腱板筋です。肩甲下筋腱損傷では内旋筋力低下が重要であり、この症例の外転筋力低下とは一致しにくいです。

4.上腕二頭筋長頭腱炎
誤り。
上腕二頭筋長頭腱炎では、結節間溝部の圧痛や、肘関節屈曲・前腕回外に対する抵抗運動で痛みが出やすくなります。この症例では肘屈曲抵抗運動で痛みを訴えていません。

覚えるポイント

  • 棘上筋は肩関節外転初期に重要です。
  • 棘上筋腱損傷では外転時痛と外転筋力低下がポイントです。
  • 上腕二頭筋長頭腱炎では肘屈曲抵抗痛や結節間溝部痛を確認します。
  • 肩甲下筋損傷では内旋筋力低下を確認します。

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