32PM107|第32回 柔道整復師国家試験 過去問
6歳の男児。自転車の練習中に転倒し、右肘関節伸展位で手掌部をつき受傷した。肘関節部に激しい痛みがあり来所した。肘関節部が後方に突出し前腕が短縮してみえる。ヒューター三角に乱れはない。この損傷の後遺症で起こりにくいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
小児が肘伸展位で手をついて転倒し、ヒューター三角に乱れがない場合は、上腕骨顆上骨折を考えます。
上腕骨顆上骨折の後遺症では、内反肘、肘関節屈曲障害、フォルクマン拘縮、骨化性筋炎などに注意します。
解説
上腕骨顆上骨折は、小児の肘周囲骨折で頻度が高い外傷です。肘関節伸展位で手をついて転倒した際に発生しやすく、伸展型が多いです。
肘関節後方が突出して前腕が短縮して見えることがありますが、肘頭と上腕骨内側上顆・外側上顆でつくられるヒューター三角は保たれます。この点は肘関節後方脱臼との鑑別に重要です。
上腕骨顆上骨折では、血管損傷や神経損傷、腫脹による循環障害に注意します。阻血性拘縮、いわゆるフォルクマン拘縮は重篤な後遺症です。
また、肘関節屈曲障害や骨化性筋炎も後遺症として考えます。一方、外反肘変形は上腕骨外顆骨折後などで重要であり、上腕骨顆上骨折では起こりにくい後遺症です。
鑑別のポイント
ヒューター三角が保たれていれば上腕骨顆上骨折、乱れていれば肘関節後方脱臼を疑います。小児肘外傷では必ず確認します。
選択肢の確認
1.肘関節屈曲障害
起こり得ます。
上腕骨顆上骨折後には、肘関節周囲の拘縮や変形により屈曲障害を残すことがあります。この問題では「起こりにくいもの」を選ぶため、正答ではありません。
2.外反肘変形
正答。起こりにくいです。
外反肘変形は上腕骨外顆骨折後などで重要です。上腕骨顆上骨折では、内反肘変形が後遺症として問題になりやすいため、外反肘は起こりにくいものとして選びます。
3.阻血性拘縮
起こり得ます。
上腕骨顆上骨折では腫脹や血管損傷により前腕の循環障害を起こすことがあり、フォルクマン拘縮に注意が必要です。
4.骨化性筋炎
起こり得ます。
肘周囲外傷では、過度な整復操作や強い組織損傷などにより骨化性筋炎を生じることがあります。後遺症として注意します。
覚えるポイント
- 小児の上腕骨顆上骨折は肘伸展位で手をついて発生しやすい。
- ヒューター三角は保たれる。
- 後遺症は内反肘、屈曲障害、フォルクマン拘縮、骨化性筋炎。
- 外反肘は上腕骨外顆骨折後で重要。