119D067|第119回 歯科医師国家試験 過去問
エナメル質表面処理後にコンポジットレジンを充塡した接着界面の走査電子顕微 鏡像(別冊No. 20)を別に示す。 矢印間の構造の機能で正しいのはどれか。2 つ選べ。

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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
エナメル質の酸処理で生じた微細な凹凸へレジンが浸入・重合してレジンタグを形成します。これにより微細嵌合効力が得られ、接着界面の封鎖によって辺縁漏洩を防止します。
解説
エナメル質をリン酸処理すると、エナメル小柱の一部が選択的に脱灰され、多孔性の微細構造が形成されます。低粘度のボンディング材が濡れ広がって微細孔へ浸入し、重合するとレジンタグとなります。
レジンタグと表面の樹脂層は、機械的嵌合によって接着力を生み、修復物辺縁を封鎖します。良好な封鎖は細菌・液体の侵入、術後知覚過敏、二次齲蝕のリスク低減につながります。
接着操作のポイント
酸処理後の唾液汚染や過度な乾燥・湿潤は接着性能を低下させるため、使用するシステムの手順を守ります。
画像の確認
実画像は酸処理エナメル質とコンポジットレジンの接着界面で、矢印間に多数の細長いレジンタグがエナメル質内へ侵入している。タグは微細嵌合効力を発揮して接着を安定させ、界面の隙間を封鎖して辺縁漏洩を防ぐ。
選択肢の確認
a.汚染面の除去
誤り。
汚染面の除去は清掃や酸処理の前処置で行う目的であり、形成された矢印間構造そのものの機能ではありません。
b.ぬれ性の向上
誤り。
ぬれ性の向上は酸処理やプライマーによる表面処理の効果で、重合後のレジンタグの主要機能ではありません。
c.辺縁漏洩の防止
正しい。
レジンタグによる接着と封鎖は、修復物辺縁からの液体・細菌侵入を抑え、辺縁漏洩を防止します。
d.スミヤー層の除去
誤り。
スミヤー層の除去は酸処理による表面変化であり、形成されたレジンタグの機能ではありません。
e.微細嵌合効力の発揮
正しい。
エナメル質の微細孔へ浸入・重合したレジンタグが微細嵌合効力を発揮します。
覚えるポイント
- エナメル質酸処理は微細多孔性を形成します。
- レジンタグは微細嵌合による接着を担います。
- 良好な接着界面は辺縁漏洩を抑制します。