119D065第119回 歯科医師国家試験 過去問

社会歯科法規・医療制度

87 歳の男性。下顎部分床義歯が1 週前から外れやすくなったことを主訴として 来院した。義歯は2 年前に製作し、問題なく使用していたという。診察の結果、 ピックアップ印象を採得し、義歯修理を行うこととした。初診時の口腔内写真(別 冊No. 18A)と義歯の写真(別冊No. 18B)を別に示す。 印象採得から修理の過程で正しいのはどれか。2 つ選べ。

119D065の問題画像
2つ選択
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正解: d・e

正答

d、e

この問題のポイント

ピックアップ印象では患者の義歯を印象内に取り込み、義歯と顎堤の位置関係を再現した模型を作製します。その模型上で、失われた下顎左側側切歯の唇側維持腕を製作して修理します。

解説

義歯が急に外れやすくなった場合は、支台装置の破折、人工歯脱落、床破折、適合不良、咬合変化などを確認します。本問では義歯修理が選択され、ピックアップ印象が計画されています。

ピックアップ印象は、義歯を装着した状態で印象採得し、義歯ごと印象を撤去する方法です。これにより、義歯の位置と口腔内組織との関係を保った作業模型を作れます。模型上で新しい維持腕を適合させ、義歯床へ連結します。

医療安全上のポイント
印象撤去時に義歯や印象材が分離しないこと、アンダーカットへ過度に入り込まないことを確認します。

画像の確認

実画像Aでは下顎前歯部を支台とする部分床義歯が装着され、Bでは片側の唇側維持腕が欠損して反対側の鉤だけが残っている。ピックアップ印象から患者の義歯を取り込んだ模型を作り、その模型上で下顎左側側切歯の唇側維持腕を製作・修理する。

選択肢の確認

a.増 歯
誤り。
増歯は人工歯の追加・脱落歯の補充を行う修理ですが、本問の維持低下の原因に対する処置ではありません。

b.咬合面再形成
誤り。
咬合面再形成は咬合関係の修正を目的としますが、義歯が急に外れやすくなった原因への本問の修理ではありません。

c.間接法によるリライン
誤り。
間接法リラインは義歯床粘膜面の適合不良を改善する方法ですが、本問で示される支台装置修理とは異なります。

d.下顎左側側切歯の唇側維持腕の製作
正しい。
下顎左側側切歯に適合する唇側維持腕を新たに製作し、義歯の維持を回復します。

e.患者の義歯を取り込んだ模型の製作
正しい。
ピックアップ印象から、患者の義歯を取り込んで口腔内との位置関係を再現した模型を製作します。

覚えるポイント

  • ピックアップ印象は義歯を印象内に取り込んで採得します。
  • 支台装置修理では義歯と支台歯の位置関係を模型上に再現します。
  • 維持低下の原因が床適合かクラスプ破折かを見分けます。

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