119C022|第119回 歯科医師国家試験 過去問
48 歳の男性。上下顎前歯部の審美不良とブラッシング時の出血を主訴として来 院した。1 年前から自覚していたがそのままにしていたという。検査の結果、慢性 歯周炎と診断し、歯周治療を開始することとした。患者は全身疾患の既往はない が、1 日10 本以上の喫煙者である。初診時の口腔内写真(別冊No. 3A、B、C)と エックス線画像(別冊No. 3D)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 動揺度** 0 0 0 0 唇 側* ④ ④ ⑤ ⑤ ④ ⑤ ⑤ ④ ⑤ ⑤ ④ ④ 歯 種 2 1 1 2 口蓋側* ④ ④ ⑤ ⑤ ④ ⑤ ⑤ ④ ⑤ ⑤ ④ ④ 舌 側* ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ 歯 種 2 1 1 2 唇 側* ④ ④ ⑤ ⑤ ④ ⑤ ⑤ ④ ⑤ ⑤ ④ ④ 動揺度** 0 0 0 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 まず行うのはどれか。2 つ選べ。

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正解: a・d
正答
a、d
この問題のポイント
歯周治療開始時には、原因因子であるプラークと喫煙へ介入するため、禁煙支援と口腔清掃指導をまず行います。
解説
本症例は前歯部に4〜5 mmのプロービング深さと出血を認め、さらに1日10本以上の喫煙があります。喫煙は歯周炎の発症・進行、治癒不良、再発に関係する重要な修飾因子です。
歯周基本治療では、患者自身が行うプラークコントロールとリスク因子の是正を最初に整えます。その後、スケーリング・ルートプレーニングなどで歯肉縁上・縁下の沈着物を除去します。
画像の確認
実画像A〜Cでは上下顎前歯部に多量のプラーク・着色と歯肉の発赤・腫脹があり、Dでは前歯部に水平性骨吸収を認める。初期治療の最初はセルフケア確立と喫煙リスクの是正なので、口腔清掃指導と禁煙支援を行う。
選択肢の確認
a.禁煙支援
正答。まず行います。
喫煙は歯周炎の重要なリスク因子であり、禁煙支援は治療反応と長期予後の改善に必要です。
b.咬合調整
この時点での最優先ではありません。
動揺や咬合性外傷を示す情報がなく、まず炎症性因子をコントロールします。
c.抗菌薬の投与
通常はまず行いません。
慢性歯周炎に対して全身抗菌薬をルーチンに開始するのではなく、機械的プラークコントロールを基本とします。
d.口腔清掃指導
正答。まず行います。
患者自身がプラークを除去できるように口腔清掃指導を行うことが歯周基本治療の出発点です。
e.スケーリング
歯周基本治療で行いますが、本問の「まず」の2項目には含まれません。
患者のセルフケアを整えたうえで、専門的なスケーリングを進めます。
覚えるポイント
- 歯周治療の基本は原因除去と患者参加です。
- 喫煙は歯周炎の進行と治癒不良に関係します。
- 口腔清掃指導後に機械的デブリードマンを進めます。