118C052第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

65 歳の女性。下顎前歯部の動揺を主訴として来院した。6 か月前から自覚し、 痛みがないのでそのままにしていたが、1 週前から動揺が大きくなってきたとい う。初診時の口腔内写真(別冊No. 16A)とエックス線画像(別冊No. 16B)を別に示 す。初診時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* ⑦④⑥⑧④⑤④③④④ 2 3 歯 種 2 1 1 2 唇 側* ⑨④⑧⑧④⑥⑤ 2 ④④ 2 3 動揺度** 3 3 1 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 口腔清掃指導と暫間固定の次に行うのはどれか。1 つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

歯周治療は、応急処置後も原因除去を中心とする歯周基本治療を順序立てて進めます。

解説

本症例では高度な動揺と深い歯周ポケットがあり、まず口腔清掃指導と暫間固定で炎症の軽減と咬合時の安静を図っています。次に行うのは、歯肉縁上・縁下の歯石と汚染セメント質を除去するスケーリング・ルートプレーニングです。

その後に再評価を行い、残存ポケット、動揺、清掃状態、骨欠損を確認して、必要に応じて歯周外科や最終固定・補綴処置を検討します。

治療選択のポイント
歯周外科や最終補綴を先に行わず、プラークコントロールと感染源除去を済ませてから再評価します。

画像の確認

実画像Aでは下顎前歯部に著しい歯肉退縮と歯根露出があり、Bでは歯槽骨が歯根中央部から根尖側まで大きく吸収している。表の7〜9 mmポケットと高度動揺も合わせ、口腔清掃指導と暫間固定後には歯根面の原因因子を除去するスケーリング・ルートプレーニングを行う。

選択肢の確認

a.歯肉整形
誤り。歯肉整形は歯肉形態を整える外科処置であり、原因除去を行う前の次の処置ではありません。

b.連結前装冠製作
誤り。連結前装冠による最終固定は、歯周基本治療と再評価を終え、予後を判定してから検討します。

c.歯周ポケット搔爬術
誤り。歯周ポケット搔爬術は外科的または閉鎖的な処置であり、まず行う標準的な原因除去はスケーリング・ルートプレーニングです。

d.局所薬物配送システム〈LDDS〉
誤り。LDDSは局所抗菌薬を補助的に用いる方法で、機械的なプラーク・歯石除去の代わりにはなりません。

e.スケーリング・ルートプレーニング
正答。まず行います。歯石と汚染根面を除去して歯周炎の原因を減らすスケーリング・ルートプレーニングを行います。

覚えるポイント

  • 歯周基本治療は口腔清掃指導と機械的デブライドメントが中心です。
  • 暫間固定後も感染源除去が必要です。
  • 再評価後に歯周外科や最終固定を判断します。

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