118C042第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

54 歳の女性。上顎左側側切歯の激しい疼痛を主訴として来院した。1 か月前か ら違和感を自覚していたが痛みがないためそのままにしていたところ、2 日前から 自発痛を認めるようになったという。打診痛と根尖部歯肉圧痛を認めるが、波動は 触れない。プロービング深さは全周2 mm 以内で、歯髄電気診に生活反応を示さな かった。初診時の口腔内写真(別冊No. 10A)とエックス線画像(別冊No. 10B)を別 に示す。 当日の適切な対応はどれか。3 つ選べ。

118C042の問題画像
3つ選択
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正解: a・d・e

正答

a、d、e

この問題のポイント

歯髄生活反応がなく、激しい自発痛、打診痛、根尖部圧痛があるため、感染根管から根尖部へ炎症が波及した急性病変を考えます。

解説

当日は根管を開放して感染源を減らし、根管洗浄を行います。排膿が根管内から得られない場合でも、根尖孔を慎重に穿通して根尖部の圧を減じ、排出路を確保することがあります。

本問では急性症状と感染拡大を踏まえて抗菌薬投与も選択されます。ただし臨床では抗菌薬のみで済ませず、原因歯の局所処置が基本です。

治療選択のポイント
急性歯性感染症では、感染源除去と排膿路確保を優先し、全身症や波及リスクに応じて抗菌薬を併用します。

画像の確認

実画像Aでは上顎左側側切歯根尖相当部の歯肉に限局した強い発赤と腫脹があり、Bでは同歯の根尖周囲に透過像を認める。失活歯の急性根尖性病変として根管内を洗浄し、排膿路確保のため根尖孔を穿通し、全身状態を踏まえて抗菌薬を投与するa、d、eが対応する。

選択肢の確認

a.根管洗浄
正しい。根管洗浄で感染性内容物と壊死組織を除去し、根管内細菌量を減らします。

b.根尖搔爬
誤り。根尖搔爬は外科的歯内療法であり、初診当日にまず行う処置ではありません。

c.根管通過法
誤り。根管通過法は本症例で優先される表現の処置ではなく、急性期には根管洗浄と根尖孔の穿通による減圧を行います。

d.抗菌薬の投与
正しい。本問の急性症状と感染波及の状況では、局所処置に加えて抗菌薬投与が適応となります。

e.根尖孔の穿通
正しい。根尖孔を慎重に穿通して根尖部の圧を減じ、排膿路を確保します。

覚えるポイント

  • 非生活歯の激しい自発痛と打診痛では急性根尖性病変を考えます。
  • 局所処置は根管洗浄と排膿路確保が基本です。
  • 抗菌薬は局所処置の代わりではなく、必要時に併用します。

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