118B088|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床小児歯科学
22 歳の女性。永久歯の萌出遅延を主訴として来院した。切歯と大臼歯は通常通 り萌出したが、その後は永久歯の萌出がみられないという。妹も乳歯の晩期残存が あるという。初診時のエックス線画像(別冊No. 30A)とCT(別冊No. 30B)を別に 示す。 他に精査すべき部位はどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: b・c
正答
b、c
この問題のポイント
多数の埋伏歯・萌出遅延と家族内発症からGardner症候群を疑い、大腸と皮膚を精査します。
解説
Gardner症候群はAPC遺伝子異常による家族性大腸腺腫症の一型で、常染色体優性遺伝を示します。大腸に多数の腺腫性ポリープを形成し、未治療では大腸癌リスクが極めて高いため、早期の消化管精査が重要です。
顎骨の多発性骨腫、埋伏歯、過剰歯、歯牙腫、永久歯萌出障害が歯科受診の契機になることがあります。皮膚には類表皮囊胞、線維腫、デスモイド腫瘍などを伴います。
画像の確認
実画像では、多数の永久歯が埋伏・萌出遅延し、CTでは上下顎骨内に多発する骨硬化性病変がみられる。Gardner症候群を疑う顎骨所見であるため、大腸病変と皮膚病変を精査する正答b・cを支える。
選択肢の確認
a.鎖 骨
誤り。
鎖骨の低形成・欠損は鎖骨頭蓋骨異形成症で重要です。Gardner症候群で優先して精査する部位ではありません。
b.大 腸
正しい。
大腸に多数の腺腫性ポリープを生じ、大腸癌リスクが高いため、消化管の精密検査が必要です。
c.皮 膚
正しい。
皮膚の類表皮囊胞や線維性病変などを伴うため、皮膚を精査します。
d.肋 骨
誤り。
肋骨はGardner症候群で優先的に精査する代表部位ではありません。
e.大泉門
誤り。
大泉門の閉鎖遅延は鎖骨頭蓋骨異形成症などで重要な所見です。
覚えるポイント
- Gardner症候群は大腸ポリポーシス・骨腫・軟部組織腫瘍が特徴です。
- 歯科では多数埋伏歯、過剰歯、歯牙腫が手掛かりになります。
- 大腸癌予防のため早期の消化管精査が必要です。