118A081第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

10 歳の女児。上顎左側第一大臼歯の摂食時の違和感を主訴として来院した。1 か月前から自覚していたが、痛みがないためそのままにしていたという。誘発痛は なく歯髄電気診に生活反応を示した。検査の結果、従来型グラスアイオノマーセメ ント修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 28A)とエックス線画像 (別冊No. 28B)を別に示す。 窩洞形態で正しいのはどれか。1 つ選べ。

118A081の問題画像
解答・解説を見る

正解: b

正答

b

この問題のポイント

従来型グラスアイオノマーセメントは歯質へ化学的に接着するため、健全歯質を保存する最小限の窩洞形成を行い、強度に重要な咬頭隆線を保存します。

解説

幼若永久歯では歯髄腔が大きく、歯質も薄いため、過剰な形成を避けることが重要です。う蝕歯質を選択的に除去し、咬頭や隆線を可能な限り残します。

グラスアイオノマーセメントは接着性をもつため、金属修復のような機械的保持のためのアンダーカットは原則として不要です。

画像の確認

実画像では、上顎左側第一大臼歯の中心窩に限局した齲窩があり、X線像で歯髄腔との間に歯質が残っている。従来型グラスアイオノマーセメント修復では健全な咬頭隆線を保存するため、正答bを支える。

選択肢の確認

a.起始点の付与
誤り。
従来型の窩洞形成でバーを進入させる概念ですが、接着修復で意図的な起始点を設けて健全歯質を削除する必要はありません。

b.咬頭隆線の保存
正しい。
歯冠の強度を保ち、破折を防ぐため、健全な咬頭隆線を保存します。

c.窩底部凹凸の整理
誤り。
接着性材料では平坦な窩底を得るために健全歯質を追加削除する必要はありません。う蝕除去後の形態を尊重します。

d.アンダーカットの付与
誤り。
グラスアイオノマーセメントは歯質へ接着するため、機械的保持のためのアンダーカットは不要です。

e.ラウンドベベルの付与
誤り。
窩縁を薄くすると脆弱な材料辺縁となるため、グラスアイオノマー修復でラウンドベベルを付与しません。

覚えるポイント

  • 幼若永久歯では健全歯質を最大限保存します。
  • GICは接着性があり、アンダーカットは不要です。
  • 咬頭隆線を保存し、辺縁に薄い材料層を作らないようにします。

関連問題

118A080118A082
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)