118A078|第118回 歯科医師国家試験 過去問
80 歳の男性。下顎前歯部の動揺を主訴として来院した。5 か月前から自覚し、 1 か月前から動揺が強くなり、前歯で咬みづらくなったがそのままにしていたとい う。初診時の口腔内写真(別冊No. 26A)とエックス線画像(別冊No. 26B)を別に示 す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* ③ 3 ③③③④④③③④③④④③④③ 3 3 歯 種 3 2 1 1 2 3 唇 側* ③ 3 3 ③ 3 ④④ 3 ③③③④④③③ 3 3 4 動揺度** 0 1 1 2 2 1 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 適切な対応はどれか。3 つ選べ。

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正解: a・b・c
正答
a、b、c
この問題のポイント
歯周炎と咬合性外傷により前歯の動揺が増している場合、歯周基本治療としてプラークコントロールを行い、過大な咬合力を減らし、必要に応じて暫間固定します。
解説
プロービング時出血と複数歯の動揺があり、前歯で咬みにくいことから、炎症性歯周組織破壊に咬合負担が加わっていると考えます。
口腔清掃指導で炎症の原因となるプラークを減らし、咬合調整で早期接触や外傷性咬合を軽減します。動揺歯は暫間固定して機能時の安静を図り、基本治療後に再評価します。
治療選択のポイント
固定だけでは炎症は治りません。感染源のコントロールと咬合力管理を組み合わせます。
画像の確認
実画像では、下顎前歯部に歯石沈着、歯肉退縮、歯間空隙があり、X線像では歯槽骨吸収がみられる。動揺と咬合困難へ咬合調整・暫間固定を行い、原因除去の口腔清掃指導を加える正答a・b・cを支える。
選択肢の確認
a.咬合調整
正しい。
過大な咬合接触を除き、動揺歯へ加わる負担を軽減します。
b.暫間固定
正しい。
複数の動揺歯を連結して機能時の動きを抑え、咀嚼時の不快感を軽減します。
c.口腔清掃指導
正しい。
歯周炎の原因であるプラークを減らす基本処置で、他の治療に先行・併行します。
d.オーラルスクリーンの使用
誤り。
口唇圧や口呼吸などの口腔習癖の改善に用いる装置で、本症例の歯周炎と動揺への適応ではありません。
e.局所薬物配送システム〈LDDS〉
この時点での第一選択ではありません。
局所抗菌薬は深い残存ポケットなどに補助的に用いることがありますが、まず機械的プラーク除去、清掃指導、咬合管理を行います。
覚えるポイント
- 動揺歯には原因除去、咬合調整、必要時の固定を行います。
- 暫間固定は歯周基本治療の代わりにはなりません。
- LDDSは補助療法であり、プラークコントロールが基本です。