118A030第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

80 歳の女性。上顎右側歯肉の腫脹を主訴として来院した。2 か月前から徐々に 増大してきたという。15 年前に脳梗塞を発症し、10 年前から関節リウマチと骨粗 鬆症で投薬を受けている。初診時の口腔内写真(別冊No. 7A)、エックス線画像(別 冊No. 7B)、造影CT(別冊No. 7C)、FDG-PET/CT(別冊No. 7D)及び生検時の H-E 染色病理組織像(別冊No. 7E)を別に示す。 病変の誘因と考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b

正答

b

この問題のポイント

関節リウマチ患者に長期投与されるメトトレキサートは、免疫抑制を背景にリンパ増殖性疾患を誘発することがあります。口腔内腫瘤でも薬剤歴を確認します。

解説

高齢の関節リウマチ患者に、短期間で増大する歯肉病変を認める場合、メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患を考えます。病理組織検査と全身画像検査で病変の性状・広がりを評価し、処方医と連携して対応します。

メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患では、薬剤中止後に病変が縮小することがありますが、自己判断で中止せず、原疾患と腫瘍性病変の双方を踏まえて管理します。

症例問題の解き方
基礎疾患と薬剤を対応させます。関節リウマチとメトトレキサート、骨粗鬆症とアレンドロン酸を区別します。

画像の具体的所見は補わず、薬剤と病態の関連を中心に説明します。

画像の確認

実画像では、右上顎歯肉から口蓋に潰瘍を伴う大きな腫瘤が広がり、画像検査では同部の腫瘤と強い集積がみられる。組織像の密な異型リンパ球様細胞と合わせ、原因薬をメトトレキサートとする正答bを支える。

選択肢の確認

a.ニフェジピン
誤り。
ニフェジピンは歯肉増殖を生じることがありますが、一般にプラークの影響を受けた広範な線維性歯肉増殖として現れます。本症例で疑うリンパ増殖性病変の誘因ではありません。

b.メトトレキサート
正しい。
関節リウマチ治療中の免疫抑制を背景に、メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患を生じることがあります。

c.ワルファリンカリウム
誤り。
ワルファリンは出血傾向を高めますが、増大する歯肉腫瘤やリンパ増殖性病変の誘因ではありません。

d.ジクロフェナクナトリウム
誤り。
非ステロイド性抗炎症薬であり、消化管障害や腎機能への影響などに注意しますが、この病変の誘因ではありません。

e.アレンドロン酸ナトリウム水和物
誤り。
骨吸収抑制薬で、抜歯後などの薬剤関連顎骨壊死に注意します。軟組織のリンパ増殖性病変を誘発する薬剤ではありません。

覚えるポイント

  • 関節リウマチ+メトトレキサート+口腔腫瘤ではリンパ増殖性疾患を考えます。
  • ニフェジピンは歯肉増殖、アレンドロン酸は顎骨壊死と関連します。
  • 薬剤の中止・変更は処方医と連携して判断します。

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