117D085|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床口腔外科学
皮膚科から歯科での検査を勧められた女性の鼻のシミの画像(別冊No. 31A)、 エックス線画像(別冊No. 31B)及びCT(別冊No. 31C)を別に示す。 顎骨内の病変で疑われるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
鼻部の基底細胞癌を疑う皮膚病変に、顎骨内の多発性透過性病変と頭蓋内石灰化を伴うため、母斑基底細胞癌症候群に伴う歯原性角化囊胞を考えます。
解説
母斑基底細胞癌症候群では、若年からの多発性基底細胞癌、顎骨の多発性歯原性角化囊胞、大脳鎌の石灰化、二分肋骨などがみられます。提示画像では鼻部の色素性皮膚病変に加え、パノラマ・CTで顎骨内に境界明瞭な囊胞性病変が確認されます。
歯原性角化囊胞は顎骨内を前後方向へ進展しやすく、病変の大きさに比べて骨膨隆が軽いことがあります。再発率が高いため、多発例では症候群の検索と長期経過観察が重要です。
画像の確認
実画像では、鼻部に褐色斑があり、顎骨・上顎洞領域には複数の境界明瞭な透過性嚢胞病変が写っている。多発性顎骨嚢胞を伴う母斑症候群の組合せから、顎骨病変を歯原性角化嚢胞とする正答cを支える。
選択肢の確認
a.歯原性線維腫
誤り。歯原性線維腫は良性歯原性腫瘍ですが、基底細胞癌や頭蓋内石灰化との症候群性関連はありません。
b.粘液貯留囊胞
誤り。粘液貯留囊胞は副鼻腔などに生じる貯留性病変で、顎骨内多発病変の説明にはなりません。
c.歯原性角化囊胞
正しい。母斑基底細胞癌症候群では顎骨に多発性歯原性角化囊胞を生じます。
d.線維性異形成症
誤り。線維性異形成症は境界不明瞭なすりガラス様骨変化を示し、本画像の囊胞性透過像とは異なります。
e.石灰化歯原性囊胞
誤り。石灰化歯原性囊胞は石灰化物や幻影細胞を特徴としますが、本症候群の代表的顎骨病変ではありません。
覚えるポイント
- Gorlin症候群では基底細胞癌、多発性OKC、大脳鎌石灰化。
- OKCは顎骨内を前後方向へ進展し再発しやすい。
- 顎骨多発病変では全身所見と家族歴も確認する。