117B038|第117回 歯科医師国家試験 過去問
基礎歯科医学病理・微生物・免疫
口をもぐもぐ動かす不随意の運動が止まらないことを主訴として来院した。数年 前から同様の症状が出現してきたという。口腔内に異常所見は認められなかった。 関連すると考えられる薬剤はどれか。1 つ選べ。
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正解: b
正答
b
この問題のポイント
口をもぐもぐ動かす持続的な不随意運動は、遅発性ジスキネジアを示唆します。
解説
遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬によるドパミンD2受容体遮断を長期間受けた後に生じることがあります。口唇をすぼめる、舌を突き出す、咀嚼様運動を繰り返すなど、口腔顔面領域の不随意運動が特徴です。
歯科では、義歯の不安定、口腔粘膜損傷、咬傷、治療中の体動につながることがあります。薬剤を歯科医師の判断だけで中止せず、処方医と連携します。
ひっかけポイント
口腔内に原因病変がなく、長期間続く咀嚼様不随意運動では服薬歴を確認します。
選択肢の確認
a.抗凝固薬
誤り。
抗凝固薬は出血リスクに関係しますが、遅発性ジスキネジアの代表的原因ではありません。
b.抗精神病薬
正しい。
抗精神病薬の長期使用により、口腔顔面領域の遅発性ジスキネジアが生じることがあります。
c.抗ウイルス薬
誤り。
抗ウイルス薬は一般に咀嚼様不随意運動の代表的原因ではありません。
d.抗けいれん薬
誤り。
一部の抗けいれん薬には運動系副作用がありますが、本症状と最も典型的に関連するのは抗精神病薬です。
e.副腎皮質ステロイド薬
誤り。
副腎皮質ステロイド薬は多様な全身副作用を持ちますが、遅発性ジスキネジアの代表的原因ではありません。
覚えるポイント
- 遅発性ジスキネジアは口唇・舌・顎の反復運動を示す。
- 長期の抗精神病薬使用歴を確認する。
- 薬剤変更は処方医と連携して行う。