117B039第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

23 歳の男性。下あごが出ていることを主訴として来院した。診断の結果、上顎 両側第一小臼歯と下顎両側第三大臼歯の抜去後、下顎枝矢状分割術による外科的矯 正治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 11A)、口腔内写真(別冊 No. 11B)及びエックス線画像(別冊No. 11C)を別に示す。セファロ分析の結果を 図に示す。 術前矯正治療における治療方針の組合せで適切なのはどれか。1 つ選べ。

117B039の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

外科的矯正治療前には、骨格性不正咬合を歯の傾斜で補っているデンタルコンペンセーションを除去します。

解説

骨格性下顎前突では、咬合を代償するため下顎前歯が舌側傾斜していることがあります。術前矯正では下顎前歯を本来の歯槽基底に対して適切な位置へ戻すため、唇側傾斜させます。

また、臼歯部に頰舌的な歯軸補償がある場合は、術後に安定した咬合が得られるよう歯軸を整えます。本問では下顎臼歯を頰側傾斜させる組合せが適切です。

画像の確認

実画像では、側貌に下顎前突があり、口腔内は前歯部反対咬合を呈し、セファロ図では下顎切歯が強く舌側傾斜して骨格性Ⅲ級を歯性に代償している。術前矯正ではこの代償を除くため下顎前歯を唇側へ、下顎臼歯を頰側へ起こすので、正答cにつながる。

選択肢の確認

a.上顎前歯の唇側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜
誤り。
上顎前歯と上顎臼歯の組合せであり、本症例で除去すべき下顎歯列の代償を反映していません。

b.上顎前歯の舌側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜
誤り。
上顎前歯を舌側傾斜させる方針は、本症例の正答となる術前矯正方針ではありません。

c.下顎前歯の唇側傾斜 下顎臼歯の頰側傾斜
正しい。
舌側傾斜している下顎前歯を唇側へ起こし、下顎臼歯の頰舌的歯軸を整えて術後咬合に備えます。

d.下顎前歯の舌側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜
誤り。
下顎前歯をさらに舌側傾斜させると、骨格性下顎前突に対する歯性代償を強めてしまいます。

e.下顎前歯の舌側傾斜 下顎臼歯の舌側傾斜
誤り。
下顎前歯を舌側傾斜させる点が不適切で、術前矯正の目的と逆になります。

覚えるポイント

  • 術前矯正ではデンタルコンペンセーションを除去する。
  • 骨格性下顎前突では下顎前歯を唇側へ起こすことがある。
  • 術後に安定した咬合が得られるよう臼歯歯軸も整える。

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