116C056|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床小児歯科学
前歯部正中離開を主訴として来院した女児の口腔内写真(別冊No. 21A)とエッ クス線画像(別冊No. 21B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
正中離開の原因が永久犬歯の異常萌出・埋伏にある場合、原因歯を適切な位置へ牽引して歯列を整えます。
解説
口腔内写真では上顎前歯部の正中離開と犬歯萌出異常がみられ、パノラマ像で上顎右側犬歯の埋伏方向を確認できます。永久犬歯は歯列・側方誘導・審美に重要なため、保存可能で牽引経路が確保できる場合は開窓・牽引を選びます。
乳歯や小臼歯を無目的に抜歯しても原因は解決せず、埋伏犬歯を抜去する前に位置、歯根形態、隣接歯根吸収、牽引可能性を評価します。
画像の確認
実画像では、上顎中切歯間に大きな正中離開があり、歯列内に永久犬歯が萌出していない。パノラマ像では対象となる上顎犬歯の歯冠が高位で近心へ傾き、歯列から外れて埋伏している一方、歯根形成途上で歯列内へ誘導する余地がみえるため、重要な犬歯を抜去せず牽引する。
選択肢の確認
a.3 の牽引
正答。最も適切です。3 の牽引により上顎右側永久犬歯を歯列内へ誘導し、前歯部空隙と歯列不正の改善を図ります。
b.4 の抜歯
誤り。4 の抜歯は第一小臼歯を失い、埋伏犬歯の保存・誘導を優先する本症例では適切ではありません。
c.2 の抜歯
誤り。2 の抜歯は側切歯を失う処置で、正中離開の原因治療になりません。
d.3 の抜歯
誤り。3 の抜歯は重要な永久犬歯を失うため、牽引可能な本症例では第一選択ではありません。
e.5 の牽引
誤り。5 の牽引は第二小臼歯に対する処置で、問題となる埋伏犬歯とは異なります。
覚えるポイント
- 埋伏犬歯は位置と牽引可能性を三次元的に評価する。
- 犬歯は審美・歯列・側方誘導に重要。
- 正中離開の原因を除去してから空隙閉鎖を考える。