116C053|第116回 歯科医師国家試験 過去問
7 歳の女児。下顎左側臼歯部の夜間痛を主訴として来院した。昨晩は痛みで眠れ なかったが、現在痛みはないという。下顎左側第一乳臼歯と第二乳臼歯の動揺度は 生理的範囲内である。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)とエックス線画像(別冊 No. 19B)を別に示す。検査結果を表に示す。 打診痛 - + 歯髄電気診 + + 処置の組合せで適切なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
乳歯の歯髄処置は、自発痛・夜間痛、打診痛、歯髄生活反応、根分岐部・根尖部所見を歯ごとに評価して決めます。
解説
下顎左側第一乳臼歯と第二乳臼歯はいずれも生活反応がありますが、第一乳臼歯は打診痛がなく、歯髄を保存できる深在性齲蝕と判断して生活歯髄切断を行います。
第二乳臼歯は夜間痛の原因歯と考えられ、打診痛が陽性です。歯髄生活反応が残っていても根部歯髄まで炎症が及んだ不可逆性歯髄炎が疑われるため、抜髄が適切です。
症例問題の解き方
2歯をまとめて判断せず、夜間痛、打診痛、生活反応、画像所見を各歯ごとに対応させます。
画像の確認
実画像では、下顎左側第一・第二乳臼歯の咬合面にいずれも象牙質へ達する大きなう窩があり、エックス線像でも深部まで及ぶ透過像がみえる。両歯とも後継永久歯が根下にあり保存価値があり、歯髄生活反応も残るため、打診痛のない第一乳臼歯は生活歯髄切断、夜間痛の原因と考えられ打診痛を伴う第二乳臼歯は抜髄という組合せになる。
選択肢の確認
a.コンポジットレジン修復 コンポジットレジン修復
誤り。両歯をコンポジットレジン修復のみとすると、深部歯髄炎への処置が不足します。
b.生活歯髄切断 コンポジットレジン修復
誤り。第一乳臼歯の生活歯髄切断は適切ですが、第二乳臼歯は修復のみでは不可逆性歯髄炎に対応できません。
c.生活歯髄切断 抜 髄
正しい。第一乳臼歯には生活歯髄切断、打診痛を伴う第二乳臼歯には抜髄を行います。
d.感染根管治療 抜 髄
誤り。両歯とも歯髄電気診で生活反応があり、第一乳臼歯に感染根管治療を行う根拠はありません。
e.抜 歯 抜 歯
誤り。動揺は生理的範囲で保存可能性があり、両歯の抜歯は過剰治療です。
覚えるポイント
- 生活反応があっても不可逆性歯髄炎はあり得る。
- 打診痛は歯根膜への炎症波及を示す。
- 乳歯の保存価値と後継永久歯の発育を考慮する。