116C034|第116回 歯科医師国家試験 過去問
38 歳の女性。かかりつけ歯科医のエックス線検査で下顎右側犬歯部の異常を指 摘され、精査を勧められ来院した。3 に打診痛と動揺はなく、歯肉に炎症所見は ない。歯髄電気診で生活反応を示した。初診時の口内法エックス線画像(別冊 No. 10A)、パノラマエックス線画像(別冊No. 10B)、歯科用コーンビームCT(別 冊No. 10C)及び摘出物のH-E 染色病理組織像(別冊No. 10D)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
生活歯の根尖付近にみられる境界明瞭な顎骨内病変では、歯内病変と決めつけず、線維性骨病変を鑑別します。
解説
本症例は無症状で、関連歯は生活反応を示します。画像では下顎犬歯部に境界明瞭な病変があり、内部に石灰化成分を含みます。病理では線維性間質の中に骨様・セメント質様の硬組織形成がみられ、セメント質骨形成線維腫に合致します。
セメント質骨形成線維腫は良性の線維性骨病変で、周囲骨との境界が比較的明瞭なため摘出・核出が可能です。線維性異形成症は周囲骨との境界が不明瞭で、すりガラス状を呈しやすい点が重要です。
症例問題の解き方
歯髄生活反応、病変境界、内部石灰化、歯根との癒着、病理の線維性間質を順に確認します。
画像の確認
実画像では、下顎右側犬歯根尖付近に周囲骨と線を引ける境界明瞭な透過性病変があり、CBCTでも皮質骨内に限局して根と一体化しない像を示す。病理像では細胞性の線維性間質の中に、骨様・セメント質様の好酸性硬組織が島状に多数形成されているため、セメント質骨形成線維腫が正答となる。
選択肢の確認
a.線維性異形成症
誤り。線維性異形成症は周囲骨へ移行する境界不明瞭なすりガラス状病変が典型です。
b.セメント芽細胞腫
誤り。セメント芽細胞腫は歯根と癒着した不透過性病変で、歯根吸収や疼痛を伴うことがあります。
c.腺腫様歯原性腫瘍
誤り。腺腫様歯原性腫瘍は若年女性の上顎前歯部、埋伏犬歯周囲に好発します。
d.石灰化上皮性歯原性腫瘍
誤り。石灰化上皮性歯原性腫瘍は埋伏歯に関連し、粗大な石灰化を含むことがありますが、本症例の部位・画像・病理所見とは一致しません。
e.セメント質骨形成線維腫
正しい。境界明瞭な混合性病変と、線維性間質内の骨様・セメント質様組織はセメント質骨形成線維腫に合致します。
覚えるポイント
- 生活歯根尖部の透過像を歯内病変と即断しない。
- セメント質骨形成線維腫は境界明瞭。
- 線維性異形成症は境界不明瞭なすりガラス状。