116C029|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯周病学
口腔内写真(別冊No. 7)を別に示す。矢印で示す歯肉退縮の原因と考えられるの はどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: d・e
正答
d、e
この問題のポイント
限局性歯肉退縮では、歯の頰舌的位置とブラッシング外傷をまず疑います。
解説
写真のような限局した頰側歯肉退縮は、歯が歯槽骨の外側へ位置して頰側骨が薄い場合や、強い横磨きなど不適切なブラッシングが加わった場合に生じやすくなります。
歯肉炎だけでは通常、特定歯の根面が局所的に露出する形態を説明しにくく、原因を除かずに根面被覆のみを行っても再発し得ます。
画像の確認
実画像では、下顎左側犬歯・小臼歯部の歯肉辺縁が局所的に根尖側へ下がり、頰側根面が細長く露出している。対象歯は歯列から頰側へ偏位・捻転してみえ、退縮が歯間部より頰側中央に強いことから、歯の位置異常と外傷性になり得る不適切なブラッシングが原因として合う。
選択肢の確認
a.口呼吸
誤り。口呼吸は前歯部歯肉の乾燥や炎症を助長しますが、写真の限局性歯肉退縮の主要因としては考えにくい所見です。
b.歯肉炎
誤り。歯肉炎は発赤、腫脹、出血を生じますが、単独で限局した歯肉退縮を説明する選択肢ではありません。
c.食片圧入
誤り。食片圧入は歯間乳頭部の炎症や歯周組織破壊に関与しますが、頰側中央部の退縮とは合いにくいです。
d.歯の位置異常
正しい。歯が歯槽骨包から頰側へ偏位すると頰側骨が薄くなり、歯肉退縮を起こしやすくなります。
e.不適切なブラッシング
正しい。過大なブラッシング圧や不適切な横磨きは歯肉へ外傷を与え、退縮の原因になります。
覚えるポイント
- 限局性退縮は歯の位置異常とブラッシング外傷を確認する。
- 原因除去なしでは根面被覆後も再発し得る。
- 炎症性腫脹と歯肉辺縁の根尖側移動を区別する。