116B055|第116回 歯科医師国家試験 過去問
9 歳の男児。開口障害を主訴として来院した。4 年前から口が開きにくいことに 気付いていたがそのままにしていたところ、3 日前にかかりつけ歯科医で精査を勧 められたという。開口量は15 mm で、開口時に疼痛はない。初診時のエックス線 画像(別冊No. 19A)、CT(別冊No. 19B)及び3D-CT(別冊No. 19C)を別に示す。 原因として考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
小児の無痛性・緩徐進行性開口障害では、顎関節だけでなく筋突起と頰骨弓の関係を確認します。
解説
4年間かけて進行した無痛性の開口障害で、CT・3D-CTでは両側筋突起が過長となり、開口時に頰骨や頰骨弓へ干渉する所見がみられます。これは筋突起過形成・過長による機械的開口障害です。顎関節骨性強直とは異なり、顎関節腔そのものの癒合が主病変ではありません。
画像の確認
実画像では、パノラマ像で左右の筋突起が下顎頭より著しく高く上方へ伸び、CT冠状・矢状断でもその先端が頰骨弓内面へ近接している。3D-CTでは両側の細長い筋突起と頰骨弓との機械的干渉が立体的に確認でき、顎関節部の癒着ではなく筋突起の過長を原因と判断できる。
選択肢の確認
a.咬筋の肥大
原因としては考えにくいです。
咬筋肥大は顔貌の角張りや咀嚼筋痛に関係しますが、画像でみられる骨性の筋突起延長を説明しません。
b.下顎頭の骨折
原因としては考えにくいです。
下顎頭骨折では外傷歴、疼痛、咬合異常などを伴うことが多く、4年にわたる無痛性進行とは合いません。
c.下顎頭の腫瘍
原因としては考えにくいです。
下顎頭腫瘍では下顎頭部の腫大・変形や顔面非対称を生じますが、提示像の主病変は筋突起です。
d.筋突起の過長
原因として考えられます。
過長な筋突起が頰骨弓に干渉して開口を機械的に制限しており、症例に一致します。
e.顎関節の骨性癒着
原因としては考えにくいです。
顎関節骨性癒着では下顎頭と側頭骨の骨性連続がみられますが、提示画像では筋突起の過長が原因です。
覚えるポイント
- 無痛性・進行性開口障害では筋突起過形成を考える。
- 筋突起と頰骨弓の干渉をCTで確認する。
- 顎関節強直は関節部の線維性・骨性癒着。