116A055第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

6 歳の女児。下顎の膨隆を主訴として来院した。かかりつけ歯科医のエックス線 検査で異常を指摘されたという。下顎左側乳臼歯部に骨様硬の膨隆を触知するが圧 痛はない。初診時の口腔内写真(別冊No. 14A)、エックス線画像(別冊No. 14B)、 CT(別冊No. 14C)及びH-E 染色病理組織像(別冊No. 14D)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

116A055の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

小児の顎骨内に生じる石灰化性病変では、歯との関係、内部の歯様構造、被膜、病理像を確認します。

解説

6歳、乳臼歯部の無痛性・骨様硬の膨隆という経過から、歯原性の石灰化病変を考えます。正答は歯牙腫です。歯牙腫は歯原性上皮と歯原性間葉の両方からなる過誤腫性病変で、エナメル質、象牙質、セメント質などの歯牙硬組織を形成します。

集合性歯牙腫では小さな歯のような構造、複雑性歯牙腫では不規則な石灰化塊がみられます。永久歯の萌出遅延や埋伏の原因になることがあります。

画像の確認

実画像では、下顎乳臼歯部の膨隆に対応してパノラマ・CT上に歯牙様の高不透過物が多数集簇し、周囲に透過性境界がある。組織像でも歯牙硬組織が不規則に形成されており、歯牙腫を選ぶ正答aを支える。

選択肢の確認

a.歯牙腫
正答。最も考えられます。
歯牙腫は小児・若年者に多く、歯牙硬組織を形成するため、無痛性膨隆と石灰化性画像所見に合います。

b.線維性異形成症
本症例とは合いにくい病変です。
線維性異形成症はすりガラス状の骨変化と境界不明瞭な膨隆を示すことが多く、歯様硬組織を形成する病変ではありません。

c.セメント芽細胞腫
本症例とは合いにくい病変です。
セメント芽細胞腫は生活歯の歯根へ連続する不透過像を示し、典型的には永久歯根に癒着します。乳臼歯部の歯牙硬組織病変とは異なります。

d.石灰化上皮性歯原性腫瘍
本症例とは合いにくい病変です。
石灰化上皮性歯原性腫瘍は成人の下顎臼歯部に多く、アミロイドとLiesegang輪状石灰化を示します。6歳児では典型的ではありません。

e.セメント質骨性異形成症
本症例とは合いにくい病変です。
セメント質骨性異形成症は成人女性の歯根周囲に生じることが多く、小児の骨膨隆性病変としては典型的ではありません。

覚えるポイント

  • 歯牙腫は歯牙硬組織を形成する過誤腫性病変です。
  • 集合性は歯様構造、複雑性は不規則な石灰化塊です。
  • 未萌出歯の萌出障害を起こすことがあります。

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