115D068|第115回 歯科医師国家試験 過去問
9歳の男児。下顎右側臼歯部歯肉の腫脹を主訴として来院した。 1年前に他院で 治療を受け、その後問題はなかったが、 3日前に気付いたという。EDの動揺度 は 0度で、自発痛はないが軽度の打診痛がある。Dは歯髄電気診で生活反応を示 さなかった。初診時の口腔内写真 (別冊No. 21A とエックス線画像 (別冊No. 21B を別に示す。 EとDへの対応の組合せで正しいのはどれか。 1つ選べ。 a 経過観察 感染根管治療 経過観b 感染根管治療 感染根管治療 c 感染根管治療 抜 歯 d 抜 歯 感染根管治療 抜歯e 抜 歯 抜 歯

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
乳歯の感染、歯根吸収、後継永久歯の発育段階を歯ごとに評価し、感染根管治療と抜歯の適応を判断します。
解説
9歳男児で、下顎右側乳臼歯部に歯肉腫脹があり、Dは歯髄電気診で生活反応を示しません。口腔内写真ではEに大きな修復・歯質欠損があり、頰側歯肉に限局性の腫脹を認めます。エックス線画像ではEに根管治療歴があり、根分岐部から歯根周囲の透過像と歯根吸収がみられます。Dも失活し、歯根吸収が進み、後継永久歯歯胚が近接しています。
両歯とも感染源であり、歯根吸収と後継永久歯の発育段階から長期保存の利益が乏しいため、EとDをともに抜歯します。乳歯の感染根管治療は、十分な歯根長と残存期間があり、修復可能で後継永久歯に悪影響を与えず保存できる場合に選択します。
画像の確認
実画像では、下顎乳臼歯部歯肉に限局性腫脹があり、Eは大きな修復・歯質欠損を示す。エックス線像ではEの既処置根周囲とDの根分岐部に透過像・歯根吸収があり、後継永久歯胚も近接するため、両歯を抜歯する正答eを支える。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。
図はEを経過観察、Dを感染根管治療とする組合せです。Eには感染を示す歯肉腫脹とエックス線変化があり、経過観察では感染源が残ります。
b.選択肢b(問題画像参照)
誤り。
図はEとDの両方に感染根管治療を行う組合せです。両歯とも歯根吸収が進み後継永久歯が近接しており、根管治療による長期保存の適応に乏しい状態です。
c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。
図はEに感染根管治療、Dを抜歯する組合せです。Eも既治療後に感染所見を呈し、歯根吸収が進んでいるため再度の根管治療より抜歯が適切です。
d.選択肢d(問題画像参照)
誤り。
図はEを抜歯し、Dに感染根管治療を行う組合せです。Dは失活しており、交換時期と歯根吸収を考えると保存処置による利益が乏しく、Dも抜歯対象です。
e.選択肢e(問題画像参照)
正しい。
図はEとDをともに抜歯する組合せです。感染、歯根吸収、後継永久歯の近接を総合すると、両歯の感染源を除去して永久歯への影響を防ぐ方針が適切です。
覚えるポイント
- 乳歯の根管治療適応は、交換時期、歯根吸収、修復可能性、後継永久歯への影響で判断します。
- 乳臼歯感染では根分岐部透過像が重要です。
- 保存期間が短く根吸収が進んだ感染乳歯は、後継永久歯を守るため抜歯を選びます。