115C084|第115回 歯科医師国家試験 過去問
35 歳の女性。口腔清掃時に上顎右側犬歯にデンタルフロスが引っかかることを 主訴として来院した。従来型グラスアイオノマーセメント修復を行うこととした。 処置開始前とその後の操作過程の口腔内写真 (別冊No. 32A、B を別に示す。 齲蝕除去時と窩洞形成後の歯面に塗布されている材料の成分の組合せで正しいの はどれか。 1つ選べ。 齲蝕除去時 窩洞形成後

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
齲蝕除去時には齲蝕検知液の色素成分であるアシッドレッドを用います。従来型グラスアイオノマーセメント修復の窩洞形成後には、歯面処理材としてポリアクリル酸を用います。
解説
写真Aでは隣接面の齲蝕が疑われ、齲蝕除去時に染色液を用いて感染象牙質を識別しています。齲蝕検知液には一般にアシッドレッド系色素が含まれ、不可逆的に変性したコラーゲンの多い感染象牙質を染色します。
ただし、染色部を機械的にすべて削除すると過剰切削になる場合があります。色だけでなく硬さ、湿潤性、病変部位、歯髄との距離を総合して判断します。
従来型グラスアイオノマーセメントは、歯質中のカルシウムとカルボキシル基によって化学的に接着します。窩洞形成後にポリアクリル酸を用いてコンディショニングすると、スメア層を除去し、歯質表面を清浄化して接着性を高めます。
フッ化ナトリウムはう蝕予防や知覚過敏処置に用いられます。酢酸イソプロピルはこの組合せに用いる代表成分ではありません。フクシンは過去の齲蝕検知染料として知られますが、問題の材料はアシッドレッドです。
材料問題のポイント
齲蝕検知液は感染象牙質の識別、ポリアクリル酸はグラスアイオノマーセメント接着前の歯面処理と整理します。
画像の確認
実画像では、齲蝕除去時に赤色の検知液、窩洞形成後に別の処理液が小筆で塗布されている。前者はアシッドレッド系齲蝕検知液、後者は従来型グラスアイオノマー用のポリアクリル酸処理液に対応し、正答dを支える。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。
問題画像のaは「フクシン―ポリアクリル酸」です。窩洞形成後のポリアクリル酸は適切ですが、齲蝕除去時の材料成分はアシッドレッドです。
b.選択肢b(問題画像参照)
誤り。
問題画像のbは「フクシン―フッ化ナトリウム」です。齲蝕検知液の色素と、グラスアイオノマーセメント修復前の歯面処理成分の両方が適切ではありません。
c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。
問題画像のcは「フクシン―酢酸イソプロピル」です。いずれも本症例で示された正しい材料成分の組合せではありません。
d.選択肢d(問題画像参照)
正しい。
問題画像のdは「アシッドレッド―ポリアクリル酸」です。齲蝕検知液の色素と、従来型グラスアイオノマーセメント修復前の歯面処理材の正しい組合せです。
e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。
問題画像のeは「アシッドレッド―酢酸イソプロピル」です。齲蝕除去時のアシッドレッドは適切ですが、窩洞形成後にはポリアクリル酸を用います。
覚えるポイント
- 齲蝕検知液の代表色素はアシッドレッドです。
- 従来型グラスアイオノマーセメントではポリアクリル酸処理を行います。
- 染色だけで感染象牙質の除去範囲を決めないようにします。