115B080|第115回 歯科医師国家試験 過去問
53 歳の女性。上顎左側前歯部の歯肉腫脹を主訴として来院した。 1か月前から 歯肉が腫れてきたという。 112に自発痛はないが、打診痛と根尖部歯肉の圧痛が ある。診察の結果、 12に歯根尖切除術を行うこととした。初診時のエックス線 画像 (別冊No. 35A と術中の口腔内写真 (別冊No. 35B を別に示す。 この後、縫合までに使用するのはどれか。 3つ選べ。

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正解: c・d・e
正答
c、d、e
この問題のポイント
歯根尖切除術では、根尖を切除した後に根尖側から逆根管形成を行い、逆根管充塡材で封鎖します。この過程でダイヤモンドポイント、レトロチップ、EBA セメントを使用します。
解説
歯根尖切除術は、通常の根管治療だけでは治癒が得られない根尖病変に対して、外科的に根尖部と病変組織を除去する処置です。
一般的な流れは次のとおりです。
- 歯肉弁を形成・剝離する
- 骨窓を形成して病変を掻爬する
- 根尖を切除する
- 切除面から逆根管窩洞を形成する
- 逆根管充塡を行う
- 洗浄、止血後に縫合する
根尖切除にはダイヤモンドポイントなどを用います。逆根管形成には超音波式のレトロチップを用い、根管軸に沿った窩洞を形成します。形成した窩洞へEBA セメントなどの逆根管充塡材を填入し、根尖側から根管系を封鎖します。
画像の確認
実画像では、根管充填・支台築造済みの上顎前歯根尖部に透過像があり、術中写真では歯肉骨膜弁の剝離と骨窓形成がすでに行われ根尖部が露出している。この後はダイヤモンドポイントで根尖を切除し、レトロチップで逆根管形成後にEBAセメントで封鎖するため、c、d、eが正答となる。
選択肢の確認
a.歯周包帯
誤り。
歯周包帯は必要に応じて縫合後の創面保護に用います。本問の「この後、縫合まで」に行う根尖切除・逆根管処置の器具ではありません。
b.骨膜剝離子
誤り。
骨膜剝離子は歯肉骨膜弁を骨面から剝離する段階で用います。提示された術中段階以降の主要器具ではありません。
c.レトロチップ
正しい。
超音波振動を用いて、切除した根尖面から逆根管窩洞を形成します。
d.EBA セメント
正しい。
逆根管窩洞へ填入し、根尖側から根管を封鎖する材料として用います。
e.ダイヤモンドポイント
正しい。
根尖切除や切除面の形成に使用します。発熱を避けるため注水下で慎重に操作します。
覚えるポイント
- 歯根尖切除術は、根尖切除 → 逆根管形成 → 逆根管充塡の順です。
- レトロチップは逆根管形成、EBA セメントは逆根管充塡に用います。
- 骨膜剝離子は歯肉弁を剝離する前半の器具です。