115A021|第115回 歯科医師国家試験 過去問
上皮性腫瘍の発生頻度が高いのはどれか。 2つ選べ。
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正解: a・b
正答
a、b
この問題のポイント
この問題では、各症候群で多発しやすい病変が上皮性腫瘍なのか、血管性病変・神経系腫瘍・炎症性病変なのかを区別します。
解説
Gardner 症候群は、APC遺伝子の異常を背景とする家族性大腸腺腫症の一型です。大腸に多数の腺腫性ポリープが生じ、未治療では大腸腺癌へ進展する危険が極めて高くなります。腺腫と腺癌はいずれも上皮由来の腫瘍です。歯科領域では顎骨の多発性骨腫、埋伏歯、過剰歯などが診断の手掛かりになります。
基底細胞母斑症候群は、Gorlin症候群とも呼ばれます。多発性の基底細胞癌という上皮性腫瘍を生じやすく、顎骨の多発性歯原性角化嚢胞、手掌・足底の小陥凹、二分肋骨、頭蓋内石灰化などを伴います。
ひっかけポイント
腫瘍が多発する症候群でも、腫瘍の由来組織が上皮とは限りません。von Recklinghausen病では神経線維腫が中心であり、上皮性腫瘍ではありません。
選択肢の確認
a.Gardner 症候群
正しい。
大腸粘膜に多数の腺腫性ポリープが生じ、大腸腺癌へ進展しやすい腫瘍素因疾患です。腺腫と腺癌は上皮性腫瘍です。
b.基底細胞母斑症候群
正しい。
皮膚の基底細胞癌が多発しやすい症候群です。歯科では多発性歯原性角化嚢胞が重要な口腔所見です。
c.Sturge-Weber 症候群
誤り。
顔面の毛細血管奇形、軟膜血管奇形、緑内障などを特徴とする神経皮膚症候群です。中心となるのは血管奇形であり、上皮性腫瘍の多発ではありません。
d.von Recklinghausen 病
誤り。
神経線維腫症1型の旧称です。多発性神経線維腫や悪性末梢神経鞘腫など、主として神経鞘・間葉系の病変が問題になります。
e.Melkersson-Rosenthal 症候群
誤り。
反復性顔面神経麻痺、肉芽腫性口唇炎、溝状舌を三徴とする疾患です。炎症性・肉芽腫性病変であり、上皮性腫瘍の多発を特徴としません。
覚えるポイント
- Gardner 症候群では大腸腺腫・大腸腺癌と顎骨骨腫を結びつけます。
- 基底細胞母斑症候群では多発性基底細胞癌と多発性歯原性角化嚢胞を覚えます。
- Sturge-Weber症候群は血管奇形、von Recklinghausen病は神経線維腫、Melkersson-Rosenthal症候群は肉芽腫性炎症です。