39AM70|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
図のポンプについて正しいのはどれか。 a.拍動流ポンプである。 b.抗凝固療法は不要である。 c.吸引ポンプとして使用できる。 d.後負荷により流量が変動する。 e.低回転数運転時には逆流が発生し得る。

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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、図に示された遠心ポンプの特徴が問われています。
図では、中央から血液が流入し、羽根車の回転によって外周方向へ送られ、側方の出口へ流出する構造が描かれています。
遠心ポンプは、人工心肺、ECMO、補助循環などで用いられる非拍動流ポンプです。
重要な特徴は次のとおりです。
- 回転数と圧較差によって流量が決まる
- 後負荷が上がると流量は低下しやすい
- 非閉塞型ポンプであり、条件によって逆流が起こり得る
- 血液を扱うため、原則として抗凝固管理が必要
- 吸引ポンプとして使うものではない
したがって、正しい小項目は d、e であり、選択肢では5が正答です。
解説
遠心ポンプは、回転する羽根車によって血液に遠心力を与え、外周方向へ押し出すポンプです。
ローラポンプのようにチューブを押しつぶして一定量を送り出す容積型ポンプではありません。
そのため、遠心ポンプの流量は次の要因に影響されます。
- ポンプ回転数
- 前負荷
- 後負荷
- 回路抵抗
- 血液粘性
- 回路内の閉塞や屈曲
図で見るポイント
図では、血液が上方の入口からポンプ中央へ入り、回転流によって外周方向へ移動し、側方の出口から送り出される様子が示されています。このような構造は、血液に遠心力を与えて流れを作る遠心ポンプの特徴です。
遠心ポンプは、回転数を一定にしていても、送血先の圧が高くなると流量が低下します。これを後負荷依存性といいます。
また、遠心ポンプは非閉塞型であり、ポンプが停止したり回転数が低すぎたりすると、送血側の圧がポンプを逆向きに押し戻し、逆流が起こることがあります。
このため、人工心肺やECMOでは、遠心ポンプ使用時に流量、回転数、圧、回路クランプ、逆流、空気混入を十分に監視する必要があります。
ひっかけポイント
遠心ポンプは「回していれば一定量が必ず出る」ポンプではありません。ローラポンプは容積型で流量が回転数に依存しやすいのに対し、遠心ポンプは後負荷や前負荷の影響を受けやすいと整理します。
臨床工学技士としての注意点
遠心ポンプは過度な陰圧、脱血不良、空気混入、逆流、血栓形成、溶血に注意します。特に低回転数や停止時には逆流リスクがあるため、回路クランプや一方向弁の有無、流量表示、圧モニタを確認します。
小項目の確認
a.誤り。
図のポンプは遠心ポンプであり、基本的には非拍動流ポンプです。拍動流を発生させる専用制御を行う場合を除き、通常は連続流として扱います。
b.誤り。
遠心ポンプを用いる体外循環では、血液が人工材料表面に接触するため、凝固系が活性化されます。そのため、通常はヘパリンなどによる抗凝固療法が必要です。
c.誤り。
遠心ポンプは、血液を送るためのポンプであり、医療用吸引器のような吸引ポンプとして使用するものではありません。過度な陰圧は脱血不良、気泡混入、キャビテーション、溶血などの危険につながります。
d.正しい。
遠心ポンプでは、後負荷、つまり送血先の圧や回路抵抗が上昇すると流量が低下しやすくなります。回転数が同じでも、後負荷により流量は変動します。
e.正しい。
遠心ポンプは非閉塞型であるため、低回転数運転時や停止時には、送血側から脱血側へ血液が逆流することがあります。逆流防止のため、回転数、流量、回路クランプ操作に注意が必要です。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。aの「拍動流ポンプ」は誤りで、遠心ポンプは基本的に非拍動流ポンプです。bの「抗凝固療法は不要」も誤りで、体外循環では抗凝固管理が必要です。
2.誤り。
選択肢2は a、e の組合せです。eは正しいですが、aは誤りです。図のポンプは遠心ポンプであり、拍動流ポンプではありません。
3.誤り。
選択肢3は b、c の組合せです。bは抗凝固療法が不要としており誤りです。cも、遠心ポンプを吸引ポンプとして用いるという点で不適切です。
4.誤り。
選択肢4は c、d の組合せです。dは正しいですが、cは誤りです。遠心ポンプは吸引ポンプとして使うものではありません。
5.正しい。
選択肢5は d、e の組合せです。遠心ポンプでは、後負荷により流量が変動します。また、低回転数運転時には逆流が発生し得ます。したがって、この組合せが正しいです。
覚えるポイント
- 図のポンプは遠心ポンプである。
- 遠心ポンプは基本的に非拍動流ポンプである。
- 遠心ポンプでは、流量は回転数だけでなく前負荷、後負荷、回路抵抗の影響を受ける。
- 後負荷が上昇すると流量は低下しやすい。
- 遠心ポンプは非閉塞型であり、低回転数や停止時に逆流が起こり得る。
- 血液を扱う体外循環では、遠心ポンプ使用時も抗凝固管理が必要である。