39AM72|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工心肺装置を用いた体外循環中の管理で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、人工心肺装置を用いた体外循環中の管理目標として適切な値を選びます。
体外循環中は、灌流量、圧、酸素供給、抗凝固、血液希釈、体温などを総合的に管理します。
国家試験で特に押さえる目安は次のとおりです。
- 平均動脈圧は、過度に高くしすぎない
- 混合静脈血酸素飽和度は、低すぎないように管理する
- ヘマトクリット値は、血液希釈下で20〜30%程度が目安になる
- ACTは、体外循環中には十分に延長させる
- 中心静脈圧が高い状態は、脱血不良などを疑う
この中で適切なのは、**ヘマトクリット値 25%**です。
解説
体外循環では、人工心肺装置のプライミング液により血液が希釈されます。
血液希釈によりヘマトクリット値は低下しますが、適度な血液希釈は血液粘稠度を下げ、末梢循環を保ちやすくする利点があります。
一方で、ヘマトクリット値が低すぎると酸素運搬能が低下します。
そのため、体外循環中のヘマトクリット値は、患者状態や施設方針により異なりますが、国家試験では25%程度が適切な管理値として扱われます。
国家試験ではここを押さえる
人工心肺中の管理では、単一の数値だけでなく、酸素供給と循環灌流のバランスを考えます。ヘマトクリット値は高すぎても粘稠度が上がり、低すぎても酸素運搬能が不足します。
臨床工学技士としての注意点
体外循環中は、灌流量、平均動脈圧、SvO₂、ヘマトクリット、血液ガス、ACT、温度、尿量、回路圧、気泡、人工肺機能を継続的に確認します。
選択肢の確認
1.誤り。
平均大動脈圧 100 mmHg は、体外循環中の管理値としては高すぎます。体外循環中は、臓器灌流を保ちながら過度な高圧を避けて管理します。
2.誤り。
中心静脈圧 20 mmHg は高値です。体外循環中に中心静脈圧が高い場合、脱血不良、カニューレ位置不良、回路閉塞、静脈還流障害などを疑います。
3.誤り。
混合静脈血酸素飽和度 50%は低値です。酸素供給が不足している可能性があり、灌流量不足、貧血、酸素化不良、代謝亢進などを確認する必要があります。
4.正しい。
ヘマトクリット値 25%は、体外循環中の血液希釈下で管理目標として扱われる範囲に入ります。酸素運搬能と血液粘稠度のバランスをみる重要な指標です。
5.誤り。
ACT 200 秒は、体外循環中の抗凝固管理としては短すぎます。人工心肺中は血液が人工材料表面に接触するため、ヘパリン投与によりACTを十分に延長させ、回路内凝血を防ぎます。
覚えるポイント
- 体外循環中は、灌流、酸素化、抗凝固、血液希釈、体温を総合管理する。
- ヘマトクリット値は、体外循環中には25%程度が適切な目安として問われやすい。
- 混合静脈血酸素飽和度 50%は低すぎる。
- ACT 200 秒は、人工心肺中の抗凝固としては不十分である。
- 中心静脈圧 20 mmHg は高く、脱血不良などを疑う。
- 平均大動脈圧 100 mmHg は体外循環中の管理値としては高すぎる。