39AM68|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
高気圧酸素治療に適する病態はどれか。 a.気 胸 b.肺気腫 c.気管支喘息 d.難治性皮膚潰瘍 e.一酸化炭素中毒
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、高気圧酸素治療の適応となる病態が問われています。
高気圧酸素治療は、高い気圧環境下で高濃度酸素を吸入させる治療です。
血液中に物理的に溶け込む酸素量を増やし、組織への酸素供給を高めることを目的とします。
代表的な適応として重要なのは、次の2つです。
- 一酸化炭素中毒
- 難治性皮膚潰瘍
したがって、正しい小項目は d、e であり、選択肢では5が正答です。
解説
高気圧酸素治療では、通常より高い気圧の環境で酸素を吸入します。
これにより、ヘモグロビンに結合する酸素だけでなく、血漿中に溶解する酸素量が増加します。
その結果、末梢組織や虚血組織にも酸素を届けやすくなります。
高気圧酸素治療が有用とされる病態には、次のようなものがあります。
- 一酸化炭素中毒
- 減圧症
- 空気塞栓、ガス塞栓
- 難治性皮膚潰瘍
- 放射線障害に伴う組織障害
- 重症軟部組織感染症
- 慢性難治性骨髄炎
一酸化炭素中毒では、一酸化炭素がヘモグロビンに強く結合し、酸素運搬が妨げられます。
高気圧酸素治療により、血液中の溶解酸素を増やし、さらに一酸化炭素の排出を促進します。
難治性皮膚潰瘍では、局所の低酸素状態が創傷治癒を妨げます。高気圧酸素治療により組織酸素分圧を高め、創傷治癒を助けることが期待されます。
ひっかけポイント
呼吸器疾患であれば高気圧酸素治療に適する、というわけではありません。気胸や空気貯留を伴う肺疾患では、圧変化により病態が悪化するリスクがあります。
臨床工学技士としての注意点
高気圧酸素治療では、圧力変化、酸素中毒、気圧外傷、火災リスク、持ち込み物品、患者監視を厳重に管理します。気胸の有無や耳抜きの可否、呼吸状態、意識状態の確認も重要です。
小項目の確認
a.誤り。
気胸は高気圧酸素治療に適する病態ではありません。未処置の気胸では、加圧・減圧により胸腔内の空気が膨張または圧変化を受け、緊張性気胸などの危険があります。
b.誤り。
肺気腫では肺内に空気が閉じ込められやすく、ブラや気腫性変化を伴うことがあります。圧変化によって気胸などを起こすリスクがあるため、適応としては不適切です。
c.誤り。
気管支喘息は高気圧酸素治療の代表的な適応ではありません。発作時には気道狭窄やエアトラッピングが問題となるため、圧環境下での治療には注意が必要です。
d.正しい。
難治性皮膚潰瘍では、局所の低酸素状態が創傷治癒を妨げることがあります。高気圧酸素治療により組織への酸素供給を増やし、創傷治癒を促進する目的で用いられることがあります。
e.正しい。
一酸化炭素中毒は高気圧酸素治療の重要な適応です。高気圧酸素により溶解酸素量を増やし、一酸化炭素ヘモグロビンの解離を促進して、組織低酸素を改善します。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。気胸と肺気腫はいずれも高気圧酸素治療の適応としては不適切です。圧変化による悪化リスクを考えます。
2.誤り。
選択肢2は a、e の組合せです。eの一酸化炭素中毒は正しいですが、aの気胸は不適切です。未処置の気胸は高気圧酸素治療で注意すべき病態です。
3.誤り。
選択肢3は b、c の組合せです。肺気腫と気管支喘息はいずれも代表的な適応ではありません。空気の閉じ込めや圧変化に注意が必要です。
4.誤り。
選択肢4は c、d の組合せです。dの難治性皮膚潰瘍は正しいですが、cの気管支喘息は高気圧酸素治療の代表的な適応ではありません。
5.正しい。
選択肢5は d、e の組合せです。難治性皮膚潰瘍と一酸化炭素中毒は、高気圧酸素治療に適する病態として重要です。
覚えるポイント
- 高気圧酸素治療は、高圧環境下で高濃度酸素を吸入する治療である。
- 血漿中の溶解酸素量を増やし、組織酸素供給を高める。
- 一酸化炭素中毒は重要な適応である。
- 難治性皮膚潰瘍も適応として押さえる。
- 未処置の気胸は圧変化で悪化する危険があり、適応としては不適切である。
- 高気圧酸素治療では、酸素中毒、気圧外傷、火災リスク、患者監視を重視する。