38AM88|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
同じ質量で温度を 1 ℃上昇させるために必要なエネルギーが最も大きいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、物質の比熱が問われています。
同じ質量の物質を 1 ℃上昇させるために必要なエネルギーは、比熱が大きいほど大きくなります。
- 比熱が大きい:温まりにくく、冷めにくい
- 比熱が小さい:温まりやすく、冷めやすい
選択肢の中では、血漿が最も水分を多く含むため、比熱が大きくなります。
解説
温度上昇に必要な熱量は、次の式で表されます。
- Q = mcΔT
ここで、
- Q:必要な熱量
- m:質量
- c:比熱
- ΔT:温度変化
この問題では、同じ質量で1 ℃上昇させる条件です。
つまり、
- m は同じ
- ΔT は同じ
なので、必要なエネルギー Q の大小は、ほぼ比熱 c の大小で決まります。
生体組織では、水分を多く含む組織ほど比熱が大きくなります。
水は比熱が大きい物質なので、水分含有量が多い血漿では、温度を上げるために多くのエネルギーが必要です。
血漿は血液の液体成分で、大部分が水です。
そのため、骨、脂肪、コラーゲン、リン酸カルシウムに比べて比熱が大きくなります。
一方、脂肪は水分が少なく、比熱は水や血漿より小さくなります。
骨やリン酸カルシウムのような無機成分を多く含む組織・材料も、血漿ほど大きな比熱は示しません。
ひっかけポイント
「硬い組織ほどエネルギーが必要」と考えるのではなく、水分含有量が多いほど比熱が大きいと考えます。
生体物性での注意点
加温、冷却、温熱療法、低体温管理、体外循環などでは、組織の比熱や熱伝導率が温度変化に影響します。水分の多い組織は温度が変わりにくいことを押さえます。
選択肢の確認
1.誤り。
骨は無機成分を多く含む組織であり、水分が多い血漿より比熱は小さくなります。最も大きいものではありません。
2.正しい。
血漿は水分を多く含むため、選択肢の中で比熱が最も大きいと考えられます。同じ質量で 1 ℃上昇させるには、最も大きなエネルギーが必要です。
3.誤り。
脂肪は水分含有量が少なく、血漿より比熱は小さくなります。脂肪組織は水分の多い組織より温度が変化しやすい傾向があります。
4.誤り。
コラーゲンは蛋白質性の線維成分であり、血漿ほど水分主体ではありません。血漿より比熱は小さいと考えます。
5.誤り。
リン酸カルシウムは骨の無機成分の代表であり、水分を多く含む血漿より比熱は小さくなります。
覚えるポイント
- 温度上昇に必要な熱量は、Q = mcΔTです。
- 同じ質量で同じ温度上昇なら、必要な熱量は比熱で決まります。
- 生体組織では、水分が多いほど比熱が大きくなります。
- 血漿は水分を多く含むため比熱が大きいです。
- 脂肪、骨、リン酸カルシウムは、血漿より温度上昇に必要なエネルギーが小さくなります。