38AM85第38回 臨床工学技士国家試験 過去問

生体物性・医用材料生体電気・材料基礎膜電位・能動輸送・血液凝固・高分子材料

生体の電気的特性で正しい組合せはどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、生体組織の電気的特性である誘電分散の分類が問われています。

生体組織では、周波数によって誘電率や導電率が変化します。
この変化は、主に次の3つの分散として整理されます。

  • α分散:低周波域、イオンの集散や細胞膜近傍の分極に関係
  • β分散:主に細胞膜や細胞構造に関係
  • γ分散:高周波域、水分子の緩和現象に関係

正しい組合せは、β分散 - 細胞構造に由来です。

解説

生体組織は、水、イオン、細胞膜、細胞内外液、蛋白質などから構成されます。
そのため、電気的性質は周波数によって大きく変化します。

この周波数依存性を誘電分散といいます。

α分散は、比較的低い周波数領域でみられます。
イオンの集散、細胞膜表面での分極、界面現象などに関係します。

β分散は、細胞膜や細胞構造に由来する分散です。
細胞膜は脂質二重層からなるため、低周波では電流が細胞膜を通りにくく、細胞外を主に流れます。
周波数が高くなると、細胞膜の容量性成分を介して細胞内にも電流が流れやすくなります。
この変化がβ分散として現れます。

γ分散は、さらに高い周波数領域でみられ、水分子の配向緩和に関係します。
水分子が電場の変化に追従できなくなることで、誘電率が変化します。

ひっかけポイント
水分子の緩和現象はγ分散です。
イオンの集散はα分散です。
細胞膜や細胞構造はβ分散です。

選択肢の確認

1.誤り。
水分子の緩和現象に由来するのは、α分散ではなくγ分散です。

2.誤り。
α分散は低周波域に関係します。数十MHzは、α分散の代表的な周波数領域としては不適切です。

3.正しい。
β分散は、細胞膜や細胞構造に由来します。細胞膜の容量性性質により、周波数によって電流の通り方が変化します。

4.誤り。
数十GHzの高周波域に関係するのは、主に水分子の緩和現象であるγ分散です。β分散ではありません。

5.誤り。
イオンの集散に由来するのは、γ分散ではなくα分散です。

覚えるポイント

  • α分散は、低周波域でイオンの集散や界面分極に関係します。
  • β分散は、細胞膜や細胞構造に由来します。
  • γ分散は、高周波域で水分子の緩和現象に由来します。
  • 生体組織では、周波数によって電流が細胞外中心から細胞内外へと流れ方を変えます。
  • 国家試験では、β分散 = 細胞構造をまず確実に覚えます。

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