38AM68|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
酸素濃縮器について正しいのはどれか。 a.酸素濃縮膜を用いた機器では 90%程度の酸素濃度が得られる。 b.吸着分離型を用いた機器では 40%程度の酸素濃度が得られる。 c.吸着分離型では機器の発熱が問題になる。 d.停電に備えてバッテリーを内蔵したものが望ましい。 e.自家発電機は指定のもの以外は安全性に保証がない。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、在宅酸素療法などで用いられる酸素濃縮器の方式と安全管理が問われています。
酸素濃縮器には、主に次の方式があります。
- 酸素濃縮膜方式
- 吸着分離型
- PSA方式
一般に、高い酸素濃度を得やすいのは吸着分離型、PSA方式です。
一方、酸素濃縮膜方式では、90%程度の高濃度酸素を得る方式としては扱いません。
正しい小項目は、c、d、eです。
解説
酸素濃縮器は、空気中の窒素を減らし、酸素濃度を高めたガスを供給する機器です。
空気中の酸素濃度は約21%です。
酸素濃縮器は、これを治療に使える濃度まで高めます。
代表的な方式を整理します。
酸素濃縮膜方式では、気体が膜を透過する速さの違いを利用します。
比較的低濃度の酸素を得る方式であり、90%程度の酸素濃度が得られるという説明は不適切です。
吸着分離型、PSA方式では、ゼオライトなどを用いて窒素を吸着し、酸素濃度を高めます。
この方式では、一般に90%程度の高濃度酸素を得ることができます。
したがって、40%程度という説明は不適切です。
また、吸着分離型ではコンプレッサを用いるため、運転時の発熱、騒音、電源確保が問題になります。
在宅酸素療法では、停電時に酸素供給が止まると危険です。
そのため、バッテリー内蔵機器や外部バッテリー、予備酸素ボンベなど、停電時の対策が重要です。
自家発電機を使用する場合も、電圧、周波数、波形、容量などが機器に適合していないと、故障や誤作動のおそれがあります。
そのため、指定されたもの、またはメーカーが動作確認したものを使う必要があります。
ひっかけポイント
酸素濃縮膜方式と吸着分離型の酸素濃度を逆に覚えないことが重要です。
吸着分離型、PSA方式は高濃度酸素を得やすいと整理します。
在宅医療での注意点
酸素濃縮器は電源に依存します。停電、災害、ブレーカ遮断、延長コード使用、発熱、フィルタ目詰まり、周囲の換気不良に注意します。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b、c の組合せです。cは正しいですが、aとbが誤りです。酸素濃縮膜方式で90%程度、吸着分離型で40%程度という対応は逆に考えやすい誤りです。
2.誤り。
選択肢2は a、b、e の組合せです。eは正しいですが、aとbが誤りです。
3.誤り。
選択肢3は a、d、e の組合せです。dとeは正しいですが、aが誤りです。酸素濃縮膜方式では90%程度の酸素濃度を得る方式としては扱いません。
4.誤り。
選択肢4は b、c、d の組合せです。cとdは正しいですが、bが誤りです。吸着分離型では40%程度ではなく、一般に90%程度の酸素濃度が得られます。
5.正しい。
選択肢5は c、d、e の組合せです。吸着分離型では発熱が問題になり、停電対策としてバッテリー内蔵などが望ましく、自家発電機は指定外のものでは安全性が保証されません。
覚えるポイント
- 酸素濃縮器は、空気中の酸素を濃縮して供給します。
- 吸着分離型、PSA方式では、一般に90%程度の高濃度酸素が得られます。
- 酸素濃縮膜方式では、90%程度の高濃度酸素を得る方式としては扱いません。
- 吸着分離型では、コンプレッサによる発熱や騒音に注意します。
- 在宅酸素療法では、停電対策と電源の安全確認が重要です。